米Novellは6月20日,複数のコンピュータ上のデータをインターネット経由で同期するソフト「Novell iFolder」の出荷を6月29日に開始すると発表した。2001年中に出荷開始予定のNetWare次期版「NetWare 6」に標準搭載予定の機能を一足先に製品化した。NetWare 5.1またはWindows NT/2000で動作する。企業のクライアント・マシン上のデータを,出先で利用するノート型パソコンやユーザー宅のパソコンなどと簡単に共有できる。

 iFolderをインストールすると,パソコン上に同期用のフォルダが作成される。ユーザーがこのフォルダ内のファイルを操作すると,インターネット上にある同期用のストレージ上のファイルも自動的に変更される。同期する際には,前回の同期処理からの差分のみを送受信するため,大きなファイルを扱う場合でもネットワーク帯域への影響が比較的小さくて済む。ユーザー認証をNovellの「NDS eDirectory」やその他のLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)準拠のディレクトリ・サーバーと統合できるほか,オンラインのデータを自動で暗号化するためセキュリティも確保できる。

 オンラインでのデータ同期サービスは,国内でも既に登場している。例えばフュージョンワンはPIM(個人情報管理)ソフトのデータや任意のファイルを同期したりWebブラウザで参照したりできるサービス「fusionOne」を2000年9月に開始している。ジャストシステムは2001年2月から,データ同期用のストレージ・サービス「インターネットディスク」を,日本語ワープロ「一太郎11」などのユーザーに向け提供している。このほか,NTTコミュニケーションズ,NTT-ME,エックスドライブ・ジャパンも同種のサービスを開始または発表している。Novellはこれらのサービスに対し,NDSとの統合やセキュリティ面の強固さを強調していく。

斉藤 国博=日経Windows 2000