米Veritas Softwareは6月18日,バックアップ・ソフト「VERITAS Backup Exec for Microsoft Windows NT and Windows 2000」の新版(バージョン8.6)を発表した。

 新バージョンでは,Microsoftの統合文書管理ソフトであるSharePoint Portal Serverに対応したエージェント・モジュール「同Agent for Microsoft SharePoint Portal Server」を用意した。SharePoint Portal Serverに完全対応したバックアップ・ソフトは業界初という。SharePoint Portal Serverのネイティブなバックアップ用APIを使って,信頼性の高いバックアップの実現を図った。

 Lotus Domino向けの「Agent for Lotus Domino」も機能拡張した。このモジュールも,Domino R5に搭載されたネイティブなLotus Backup APIを使って,きめ細かなバックアップ/リストア処理を可能にする。Dominoのトランザクション・ログとアーカイブ・ログを利用した,任意の時点までのロール・フォワードを制御できるようになり,管理者は簡単にポイント・イン・タイム・リストアを実行できる。

 SharePoint Portal ServerやDominoに含まれる大容量イメージ・ファイルなどを効率よくバックアップするために,「Intelligent Image Option」というオプション・モジュールを用意した。このモジュールはディスクからテープ装置へのデータ転送方法を最適化することにより,プロセッサの処理負荷を軽減。バックアップに要する時間を短縮する。フルバックアップ,差分バックアップのどちらにも対応。リストアはファイル単位でもボリューム単位でも実行できる。

 このほか,ハードディスク,NAS(Network Attached Storage),RAIDシステムへのバックアップに対応した。日次バックアップ処理などを短時間で実行できるようになる。テープ装置に記録する前の1ステップとして高速なストレージを利用する,ステージング方式に適している。

 国内での出荷開始は今年第3四半期の見通し。価格は未定。

(渡辺 享靖=日経Windows 2000)