日本ストラタスコンピュータは5月28日,Windows 2000を搭載したフォルト・トレラント(無停止)・サーバー2機種を発表した。ミッドレンジ向けの「ストラタスftServer 5200シリーズ」を6月から,エントリ向けの「ストラタスftServer 3200シリーズ」を7月から出荷する。飯田晴祥社長は,都内で開催したユーザー/パートナ向けのセミナーで,「これまではニッチ分野に高価なシステムを販売してきた。Windows 2000を搭載する低価格の無停止サーバーを提供することで,今回初めてメイン・ストリームに打って出る」とftServer拡販の意気込みを語った。日本ストラタスは今後3年間で,ftServerシリーズを8000台,300億円の販売を目指す。

 ftServerは,プロセッサやメモリー,ハードディスクなどを多重化(2重化または3重化)し,多重化したハードウエア間で同期処理を実行して無停止運転を実現する。構成部品の障害発生時には,サーバーの運転を継続したまま,構成部品の切り離しと交換作業が可能だ。2台のサーバーでクラスタを構成したときのようなフェイルオーバーの時間は必要なく,システムを連続稼働できる。

 障害の検出と構成部品の切り離しの機能を備える2種類のASICを開発,搭載することにより,低価格に抑えた。日本ストラタスの太田安信マーケティング本部長は,「PCサーバーのクラスタ・システムと同じ価格帯で,格段に信頼性の高いシステムを構築できる」と,ftServerのコスト・メリットを強調する。これにより,24時間×365日の運用が必要な電子商取引システムをはじめ,Exchange Serverなどのメール・システムや,ファイル・サーバーの統合の用途など,幅広い用途に無停止サーバーを浸透させていく考えだ。

 搭載OSは,ftServer 5200がWindows 2000 Advanced Server,ftServer 3200がWindows 2000 Server/Advanced Server。ftServer 5200シリーズは,PentiumIII Xeon-750MHzの2プロセッサ構成に対応し,価格は,1プロセッサ構成時の基本パッケージの559万8千円から。ftServer 3200はPentium III-800MHzの2プロセッサ構成に対応。価格は,Windos 2000 Serverを搭載する基本パッケージで200万円台から。

 日本ストラタスコンピュータは同日,5月30日から社名を日本ストラタステクノロジーに変更することも発表した。

(森重 和春=日経Windows 2000)