ノベルは4月24日,Webアプリケーションのセキュリティ管理機構をディレクトリ環境に統合するパッケージ「Novell iChain 1.5」を発表した。ディレクトリ・サーバー「NDS eDirectory」と連携して,1回の操作で複数のWebサーバーへログオンする「シングル・サインオン」や,ディレクトリに登録されたユーザーやオブジェクト単位でのアクセス権の設定などが可能になる。デジタル証明書を用いたユーザー認証などにも対応する。

 製品は,eDirectoryへのアドオン・モジュール「iChain Authorization Server(iChain AS)」と,エンドユーザーからWebサーバーへのアクセスを中継するプロキシ・サーバー「iChain Internet Caching Server(iChain ICS)」などで構成する。「NDS eDirectory 8.5」もバンドルする。

 iChain ICSは,Webサーバーとエンドユーザーの間に置いて運用する。エンドユーザーがWebサーバーにアクセスしようとすると,そのリクエストをiChain ICSが横取りして,アクセス権の有無などをeDirectoryに問い合わせる。eDirectoryでの設定に従って正当なリクエストのみを中継することでアクセスを制御する。ログオン操作が必要なWebサーバーに対しては,iChain ICSがログオンを代行する。このほかiChain ICSは,Webサーバーへのアクセスを高速化するキャッシュ機能や,エンドユーザーとの通信をSSL(Secure Sockets Layer)で暗号化する「SSLizer」機能などを備える。

 対応OSは,iChain ASがWindows NT 4.0(SP4以上),Windows 2000,Linux(カーネル2.2,glibc 2.1.3),NetWare 5.1(SP1以上),Solaris 2.6/7(SPARC版)で,いずれもeDirectory 8.5が動作している必要がある。iChain ICSは,汎用のキャッシュ・サーバー製品であるデルコンピュータの「PowerApp.cache100/200」またはNECの「Express 5800/CacheServer」に組み込んで利用する。出荷開始は4月27日の予定。価格はオープン。最小構成は5000ユーザー・ライセンスで,この場合の価格は1ユーザーあたり1500円程度になるという。

斉藤 国博=日経Windows 2000