「Windows 95から他OSへの移行作業は,今年の夏以降に本格化することになるだろう」。日立製作所のインターネットプラットフォーム事業部でパソコン事業のマーケティング戦略を指揮する木村政孝部長が,日経Windows 2000記者の質問に答えて,Windows XPの発売を今年後半に控えて混迷するクライアントOSの移行状況を予測した。要旨は以下の通り。

 企業向けパソコンのOS別出荷比率を見ると,Windows 2000は好調に推移している。2000年度上半期にNT/2000の出荷比率が約30%だったのに対し,下半期には40%を超えた。特にWindows 2000の伸びが著しい。一方,上半期に2割強あったWindows 95は,下半期には10%を切った。昨年12月にマイクロソフトがWindows 95の提供を打ち切ったことも少なからず影響している。

 Windows 95の提供打ち切りが企業ユーザーへ与える影響は大きい。既に,Windows 95マシンが入手しにくくなっているのは事実だ。当社としては,正規代理店から供給されるOS(DSP版)を使用して,引き続きWindows 95マシンの提供を続けていくが,Windows 98/Meのプリインストール・マシンと比べ本体価格が2万円ほど割高になってしまう。マイクロソフトは,Windows 95用の修正プログラムの提供も打ち切るため,遅かれ早かれ他のOSへ移行しなくてはいけなくなる時期がくる。

 Windows 95から他のOSへ乗り換えるに当たり,注意すべきポイントがいくつかある。Officeソフトなどパッケージ製品のみを利用しているユーザーなら問題は少ない。Windows 2000 Professionalや年末に発売予定のWindows XPを検討するとよい。Windows 95上で作り込みのアプリケーションを利用しているユーザーは,Windows 2000/XPに移行するよりWindows 98へ移行する方がベターな場合もある。95マシンのリプレースが本格化するのは今年の夏以降。いずれにしろ,できるだけ早い時期からアプリや周辺機器の動作チェックを開始しておくべきだ。

(菅井 光浩=日経Windows 2000)