大手ハードディスク・ドライブ・メーカー米Seagate Technologyのマーケティング・マネージャであるMichael Green氏が来日し,ハードディスクの市場動向と製品戦略について4月17日,講演を行った。要旨は以下の通り。

 Seagateは,今後ハイエンドやミッドレンジのサーバーに向けて,毎分1万5000回転の高速ドライブ製品を拡充していく。2000年には業界で初めて毎分1万5000回転の「Cheetah X15」を製品化し,同年60万台を出荷した。2001年6月には容量を2倍に高めた「Cheetah X15-36LP」の出荷を開始する予定だ。

 毎分1万5000回転のドライブは,データを読み出す時間が短いため,特に電子商取引や,SAN(Storage Area Network)などの集中管理用ストレージ・ソリューションに採用されており,旧世代の毎分1万回転ドライブに比べて短期間で市場に受け入れられた。

 当社は,毎分1万5000回転の高速ドライブの需要が,2001年にはエンタープライズ向けドライブの15%,2002年には30~35%を占めると予測している。米国ではIT市場の冷え込みが言われているが,エンタープライズ向けのストレージ市場はまだ堅調で,特にアジア市場は今後も有望と見ている。

 競合メーカーも高速ドライブ市場に参入してくると思われる。既に米IBMが毎分1万5000回転のドライブを発表しており,今後はそれ以外のメーカーも発表してくるだろう。しかし,毎分1万5000回転のドライブでは他社を押さえてトップの座を維持していく。

(木下 篤芳=日経Windows 2000)