マイクロソフトは4月10日,Windows 2000 Serverシリーズで動くサーバー・アプリケーションの日本語版について,価格と出荷時期などを明らかにした。発表したのは,複数のサーバー・マシンでクラスタを構成する「Application Center 2000 日本語版」,企業ポータルを構築する「SharePoint Portal Server 2001 日本語版」,Webベースのグループウエア「GroupBoard for Exchange Version 1.0」の3製品。

 最初のApplication Center 2000は,クラスタを構成することでアプリケーションの負荷を分散することができる。ショッピング・サイトなどがアクセス数の増加に合わせてサーバーを順次追加しシステムを強化するといった使い方が可能だ。負荷分散の種類も,Windows 2000 Serverにない「ネットワーク負荷分散」を追加したり(同Advanced ServerやDatacenter Serverには標準で備える),COM+で開発したアプリケーションを分散して処理する「コンポーネント負荷分散」の機能などがある。

 クラスタ管理は,構成するマシンの1台をクラスタ・コントローラにして設定・管理するもの。コンテンツの更新などは,クラスタ・コントローラ1台に反映させれば,残りのマシンは自動で更新する仕組み。1台のマシンを管理すればよいので,運用コストを下げられるという。操作画面は,マイクロソフト管理コンソール(MMC)のスナップインで行う。サーバー・マシンを外部のインターネット・データセンターに配置する場合は,Webベースの管理コンソールを使ってリモートで管理できる。プロセッサ・ライセンスを適用しており,1CPU当たりの推定小売価格は,パッケージが55万1000円。出荷は4月27日。

 2番目のSharePoint Portal Server 2001を使うと,社内文書の検索や電子メール,Webページなどを一元管理する企業ポータルが構築できる。ポータル画面はWebパーツというコンポーネントで構成されている。クライアント側からは,OutlookやInternet Explorerを使ってアクセスし,Outlookの予定表やメール,Office文書を表示するWebパーツが出荷時に提供されるという。Webパーツはユーザーが開発することも可能。利用できるWebパーツが増えれば,より複雑な企業ポータルを簡単に構築できるようになる。マイクロソフトは,MSNのサービスをWebパーツ化して提供する予定だ。MSNで提供しているニュースや株価の情報を企業ポータルで表示できる。推定小売価格は,5CAL(クライアント・アクセス・ライセンス)付きの通常パッケージが95万7000円。出荷は5月18日。

 3番目のGroupBoardは,Exchange 2000をベースにしたWebベースのグループウエア。大企業でのグループ単位での利用,中小企業では全社レベルでの使用を想定している。電子メール,予定表,掲示板,交通費清算,アドレス帳などの機能を備える。これらの機能は,Webパーツで実現している。SharePoint Portal Server 2001のWebパーツをGroupBoardでも使える。Webパーツで機能を追加していけるのが特徴。Exchange 2000やBackOffice 2000のCALを保有するユーザーであれば無償で使える。マイクロソフトのWebサイト(http://www.microsoft.com/japan/servers/groupboad/)からダウンロードできる。

伊藤 康生=日経Windows 2000