シマンテックは4月19日に,リモート・コントロール・ソフトの新版「pcAnywhere Version 10.0」を出荷開始する。リモート・コントロール・ソフトは,離れたところにあるパソコンを,ネットワーク経由で操作できるようにするソフト。主に,遠隔地にあるサーバーの監視・操作やヘルプ・デスク,ユーザー・サポートなどの用途で利用する。

 新版では,ユーザー認証機能やデータ暗号化機能,リモート・アクセス周辺スキャナなど,企業利用を意識したセキュリティ関連の機能が強化された。従来からサポートしていたWindows NT/2000のドメイン認証や同製品独自の認証機能に加え,Windows 2000のActive DirectoryやNetscape Directory Serviceなど8つのユーザー認証を利用できるようにした。

 リモート操作されるマシンと操作する側のマシン間でやり取りするデータは暗号化が可能になった。これにより,ネットワークの盗聴や改ざん,なりすましなどからネットワーク内に流れるデータを保護できる。暗号化は,公開鍵をベースにしたPKI(Public Key Infrastructure)を使っている。

 リモート・アクセス周辺スキャナは,企業ネットワーク内でpcAnywhereがインストールされているマシンをすべてスキャンし,自社のセキュリティ・ポリシーに添わない設定のマシンがないかどうかを検出する機能。例えば,パスワードが設定されていないpcAnywhereを発見した場合,そのpcAnywhereを強制的に停止させる機能もある。これにより,セキュリティ・ホールをつぶすことができる。ただし,この機能は法人ライセンスで提供するメディアでのみサポートする。

 このほか,導入環境や用途に合わせて必要なコンポーネントだけを選び,そのインストール・イメージを作成するパッケージャ機能やイントラネット上にインストール・イメージを公開し,企業内での大量導入を支援する機能(法人ライセンス・メディアのみ)などが追加された。

 価格は,操作する側と操作される側のモジュールを両方含んだ「COMPLETE版」が1万6800円,操作される側のみの「HOST版が1万8000円,操作する側のみの「REMOTE版」が1万2800円。法人向けライセンスの注文は4月25日から受け付ける。Windows 9x/Me/NT/2000に対応する。
(小野亮)