マイクロソフトは3月26日,SQL Server 2000との連携が容易なWindows CE向けデータベース管理システム(DBMS)「SQL Server 2000 Windows CE Edition (SQL Server CE)」の新版(Version 1.1)を発表した。配布方法はマイクロソフトのWebサイトからのダウンロードのみ。すでに3月21日より配布を開始している。SQL Server 2000の開発者向けパッケージである「SQL Server 2000 Developer Edition」のユーザーが対象となる。

 SQL Server CEは,ネットワークから切り離した状態で用いることの多いWindows CEベースのモバイル端末で動作するデータベース・エンジン。例えば,サーバー・マシン上のSQL Server 2000から一部のデータを端末上に取り込んで参照したり,ネットワークに再接続したときに端末上で更新したデータをサーバーと同期させるといったシステムを構築できる。

 今回のバージョンアップでは,POS(Point of Sales)端末や販売員向けハンディ・ターミナルなど組み込み用途向けの機能を中心に強化した。Windows CEベースのシステムを特定用途向けにカスタマイズするツール「Platform Builder 3.0」に対応し,OS本体と一緒にデータベース・エンジンや各種のモジュールをROM化できるようになった。従来のSQL Server CE Version 1.0では,Pocket PCやHandheld PC向けのさまざまなアプリケーションと同様に後から組み込む必要があった。一方,新版ではユーザーごとに固有のSQL ServerアプリケーションをROMの形で組み込んだ,専用の業務端末を作れる。Windows CE端末のメーカー各社にとって,汎用のPocket PCやHandheld PCをベースとして容易に専用端末を作れるメリットは大きい。

 このほか,スケジュールやアドレス帳をPCと同期させるためのActiveSyncサービスを経由してSQL Server 2000上のデータを同期させる機能や,従来版で対応していなかったHandheld PC 2000に正式に対応するなどの改良も施している。

(斉藤 国博=日経Windows 2000)