米Microsoftは,同社の「.NET」戦略で重要な要素となるWebサービスの構築に使うツール「Microsoft SOAP Toolkit Version 2.0」の提供を開始したと発表した(該当サイト)。2000年夏に提供を開始したV1.0のアップデート版になる。

 Microsoft SOAP Toolkit Version 2.0は,同社の開発ツールである「Visual Studio 6.0」とともに使うWebサービスの構築支援ツール。V2.0では,WSDL(Web Services Description Language),UDDI(Universal Description,Discovery and Integration)およびSOAP(Simple Object Access Protocol) 1.1をフルサポートする予定。V2.0は現在ベータ版で一部機能が実装されていないが,2001年第1四半期内に完成させるという。Windows 2000/NT 4.0/98/Meでの動作をサポートする。

 同時に「Web Services Behavior for the Microsoft Internet Explorer」を発表した。「Web Services Behavior」は,Webページ中のスクリプトからインターネット上のWebサービスを起動する仕組み。これに対応したブラウザはWebサービスを実行するWebサーバーと,HTTP(Hypertext Transfer Protocol)でなくSOAPで通信するようになる。発表資料では「Web Services Behavior for the Microsoft Internet Explorer 5.0」ベータの提供が始まっているとしているが,見つからなかった。

 WebサービスはインターネットのWebサーバーを通して利用できるアプリケーション。HTMLを拡張した記述言語XML(Extensible Markup Language),データ交換用のプロトコルSOAPやWebサービスの検索に用いるUDDIというインターネット標準の技術を使って構築する。Microsoftの戦略「.NET」では,複数のWebサービスを組み合わせてユーザーが使うアプリケーションを構築するような状況の実現を目指している。
(干場一彦)