マイクロソフトは,10月31日に開催した「インテル ソリューション・ショーケース&フォーラム」にて,日本語版の64ビットWindowsを初公開した。インテルがパイロット・リリースを開始した64ビットCPU「Itanium」上で動作する。米国では11月1日に,特定ユーザー向けにベータ版を配布するという。

 64ビット版Windowsでは,EPICという命令実行形式により,1度に実行できる命令セットが現行の32ビット版の4倍に増える。そのため,科学技術計算やグラフィック処理などを高速に実行できるという。各社は64ビット版のアプリケーションを開発中だ。なお,64ビットの性能は生かせないが,32ビット版のアプリケーションも実行できる。

 当初はWindows 2000をベースに開発する予定だったが,Itaniumの出荷が来年にずれ込んだこともあり,Windows 2000の後継OS「Whistler(開発コード)」をベースに開発することになった。「32ビット版と64ビット版のOSを同じコードにしたかったため」(マイクロソフトの藤本浩司Windows製品部サーバーグループシニアプロダクトマネージャー)と説明する。

 今回,披露したのはクライアント向けの「Windows Whistler Professional,64-bit Edition」と,サーバー向けの「Windows Whistler Server,64-bit Editon」の2つ。ほかにも,大規模サーバー向けに64ビット版のAdvanced ServerとDatacenter Serverの提供を検討中という。32ビット版のWhistlerも提供するため,一気にOSのラインナップが増えることになる。出荷時期は明らかにしていないが,2001年後半になる模様。
(目次 康男=日経Windows2000)

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