日本アイ・ビー・エムは10月4日,PCサーバーからメインフレームまでの全サーバー製品を統一するブランド「eserver(eは@と似たロゴ表記)」を発表した。eserverというブランド名のもとで,メインフレームのS/390はzSeries,UNIXサーバーのRS/6000はpSeries,オフコンのAS/400はiSeriesという名称に統一し,Windows 2000/NTのプラットフォームであるNetfinityシリーズも今後は「eserver xSeries」という名称で提供していく。今回の発表と同時に,xSeriesでは中規模以下のレンジを中心に6モデルを新たに発表し,このほかの既存製品に関してもモデル・チェンジの際に順次新しいブランドに切り替えていく。

 今回の名称変更は,サーバーで統一したブランドを提供するという日本IBMの新戦略に基づいたもの。統一したサーバー名の元で,高い信頼性や拡張性を実現する機能やサービスを提供していく意向だ。具体的には,処理が増大したときに余分に用意しておいたCPUやストレージを自動的に利用する「キャパシティー・アップグレード・オン・デマンド(CUoD)」,サーバーの稼働状況をリモート監視する「リモート・サービス」,高可用性のシステムを実現するための調査・提案・実施をする「ハイ・アベイラビリティー・サービス」,天災やハッカー攻撃といった災害時にバックアップ・システムを提供する「ビジネス・リカバリー・サービス」,利用した状況に応じてソフトウエアのライセンスを支払う「ワークロード使用料金方式」などがある。

 この戦略に合わせて,「Netfinityという名前も定着してきていたがメインフレームやAS/400で培った信頼性の高いソフトウエアやサービスを提供するというメリットを重視し名称を変更することにした」(常務取締役パーソナル・システム事業部長の堀田一芙氏)という。ただし,当面のところxSeriesで利用できるサービスは上記したうちの一部のみ。たとえば,サーバー内に余分なCPUを搭載しておく形のCUoDやワークロード使用料金方式などは利用できない。PCサーバーのユーザーが,メインフレームと同等のサービスを利用できるようになるのは,まだしばらく先のこととなる。

(根本 浩之 =日経Windows 2000)