メラントは6月末から7月末にかけて,同社のデータ・アクセス用ミドルウエアを一新する。既存の2製品をバージョンアップするほか,新たに三つのデータ・アクセス製品を投入する。

 同社がバージョンアップするのは,ODBC(Open Database Connectivity)ドライバの新版DataDirect Connect ODBC 3.6と,OLE DBデータ・プロバイダの新版DataDirect Connect ADO 2.5。DataDirect Connect ODBC 3.6は最新規格ODBC 3.52に準拠し,XML(eXtensible Markup Language)データをサポートした。一方のDataDirect Connect ADO 2.5は,従来DataDirect Connect for OLE DBと呼ばれていた製品。新たにOLE DB 2.5をサポートし,同じくXMLに対応した。

 一方,新たに投入するのは,(1)ERP(統合基幹業務システム)のSAP R/3のデータにアクセスするコンポーネントDataDirect Connect Premium for SAP R/3,(2)メインフレーム上のデータベースDB2にアクセスするコンポーネントDataDirect Connect Premium for DB2,そして(3)ODBCドライバやOLE DBプロバイダなどを使って,RDBMSやメインフレーム,ERPのデータを一度に検索/編集できるようにするデータ統合エンジンDataDirect Connect Integratorの3製品だ。

 米MERANTのBrian C. Reed副社長は今回の新製品投入について,「企業システムは年々複雑になり,クライアント/サーバー(C/S)システムやWebのデータだけでなく,メインフレームやERP(統合基幹業務システム)にあるレガシー・データをいかに統合していくかが,今後のe-ビジネスを展開していくうえでの重要なテーマになっている。このような多様なニーズに対応するため,データ・アクセス・コンポーネントも使いやすく高機能な製品が要求されている」と説明する。今後も「XMLやLinuxなど,プラットフォームやOSの枠にとらわれない製品を継続して投入する」方針という。

 同社が発表した製品は次の通り。

製品名 概要 価格 出荷開始(予定)
DataDirect Connect Integrator RDBMSやメインフレームのデータ,ERPなどのデータを,統合的に扱えるようにする統合エンジン 186万円から(1CPUあたり) 6月末
DataDirect Connect ODBC 3.6 最新仕様のODBC 3.52に準拠したODBCドライバ。XMLもサポートする クライアントが1万1000円から(1ユーザー),サーバーが56万円から(1CPUあたり) 6月末
DataDirect Connect ADO 2.5 DataDirect Connect OLE DBという製品名を変更。最新仕様のOLE DB 2.5に準拠したOLE DBデータ・プロダイバ。XMLもサポートする クライアントが1万3000円から(1ユーザー),サーバーが56万円から(1CPUあたり) 6月末
DataDirect Connect Premium for SAP R/3 SAP R/3のビジネス・ロジックやデータベースに,ODBCやOLE DB経由で接続するためのコンポーネント クライアント/サーバーが290万円から(50ユーザーまたは1CPUあたり) 7月末
DataDirect Connect Premium for DB2 データベースのDB2に米IBMが定めたプロトコルDRDA(Distibuted Relational Database Architecture)経由で接続するコンポーネント クライアントが319万円から(35ユーザーあたり),サーバーが186万円から(1CPUあたり) 7月末