米Inpriseは1月26日,C++ベースの開発ツールの新版「Borland C++Builder 5」を発表した。2月に出荷開始する。「Enterprise」「Professional」「Standard」の3製品から成り,価格(推定小売価格)は順に2499ドル,799ドル,99.95ドル。

 C++Builder 5の新機能の多くは,Pascalベースの開発ツール「Borland Delphi 5」がすでに取り入れたものである。具体的には(1)統合開発環境のカスタマイズ機能,(2)ToDoリスト機能,(3)ブレークポイントのグループ化などデバッグ機能の強化,(4)複数のコンポーネントを組み合わせて作る「フレーム」,(5)ActiveXオートメーションを利用するコンポーネント,(6)BDE(Borland Database Engine)を使わずにデータベース・アクセスをするコンポーネント「InterBase Express」「ADO Express」,(7)データベースの設定をビジュアルに行える「データモジュールデザイナ」,(8)コントロールパネルのアプレットを作るウィザード,(9)プロジェクト管理ソフト「TeamSource」などだ。

 C++Builder 5ならではの機能拡張としては,(1)コンパイル中でもIDEを操作することを可能にした「バックグラウンドコンパイル」,(2)メモリーの誤った使い方を警告する「CodeGuard」,(3)MFC 6.0,ATL 3.0を搭載し,Visual C++ 6.0との互換性を高めた(C++ Builder 4はVisual C++ 5.0をターゲットにしていた),(4)プロジェクト・マネージャの強化(コンパイル・オプションをファイル単位で指定できるなど),が挙げられる。全般に,製品全体の姿はそのままにブラッシュアップしたという雰囲気である。

 日本法人のインプライズは,2月半ばにC++Builder 5の日本語版を発表する予定。ただし,現時点では価格や出荷時期などを明らかにしていない。製品構成はDelphi 5と同様に「Enterprise」「Professional」「Learning」となる模様である。