Debian Projectは2005年6月6日,「Debian GNU/Linux 3.1」(開発コード名sarge)をリリースした。前バージョンの3.0(開発コード名woody)がリリースされたのは2002年7月であり,実に3年ぶりのメジャー・バージョンアップとなる。

 今回バージョンアップしたのは,動作の安定性を重視した安定版。実際のDebianユーザーは,最新の機能を使うためテスト版や不安定版のパッケージを導入して利用することが多く,こうしたユーザーにとってのインパクトは少ない。ただ,企業システムなど安定性が求められる用途では,安定版のバージョンアップの意義は大きい。

 特徴はインストーラの改良。ハードウエアの自動検出機能を強化し,無人インストール機能を備える。また,オープンソースのオフィス・スイートであるOpenOffice.org(1.1.3)を初めて標準で採用した。SSHプロトコルによりリモート・アクセスを行うOpenSSHやオープンソースのPGP実装であるGNU Privacy Guardといった暗号ソフトも標準でインストールされる。ブラウザのFirefoxやメーラーのThunderbirdも採用した。

 カーネルのバージョンは,woodyの2.2系からバージョンアップし,2.4.27になった。最新の2.6系を採用しなかったのは,安定性を重視したためだという。

【追記】
標準でインストールされるカーネルは2.4.27ですが,インストール時にカーネル2.6を明示的に指定すると,2.6.8がインストールされます。

(日経ソフトウエア)