稚内北星学園大学の丸山不二夫学長は,4月8日に開催したセミナーで,J2EEの次々期バージョンである6.0のコア技術となる「JBI(Java Business Integration)」について解説した。JBIは,Javaでサービス指向アーキテクチャ(SOA)を実現するための機能である。

 稚内北星学園大学は日本最北端の大学で「最北端は最先端」をキャッチフレーズにしている。J2EEの現行バージョンは1.4で,次期バージョンの5.0は2006年初めに公開される予定。まだリリース予定すら決まっていないJ2EE 6.0をいち早く取り上げるのは,最先端を標榜する同大学ならではである。

 丸山氏はJBIの特徴を「ビジネス・ロジックと通信ロジックの分離」だと語る。JBIでは,ビジネス・ロジックを担う部分を「Service Engine(SE)」,通信ロジックを担う部分を「Binding Component(BC)」と呼ぶ。SOAでは,サービス間の通信プロトコルとして,Webサービスで使われるSOAPのほかに,Javaのメッセージングで使われるJMS(Java Message Service)やレガシー・システムへの接続などに使われるEDI(Electronic Data Interchange)などさまざまなプロトコルが使われる。BCがこうした通信プロトコルの違いを吸収することで,開発者はSEの部分のロジックを記述することに専念できる。

 丸山氏は「ESB(Enterprise Service Bus)」というSOAを実現するための技術にも触れた。ESBの「バス」の考え方は,JBIでWSDL 2.0に基づくメッセージ交換を行う「Normarized Message Router」に取り入れられているという。

(日経ソフトウエア)

【訂正】最初の原稿で「米IBMが開発した『ESB(Enterprise Service Bus)』」という記述がありましたが,ESBは米Sonic Softwareが中心となって開発している技術です。以上,訂正いたします。(4月13日)