Linuxディストリビュータのミラクル・リナックス中国Red Flag Software韓国Haansoftは2005年3月2日,共同で開発を進めているアジア仕様Linuxディストリビューションの新版「Asianux 2.0」を7月末にリリースすると発表した。米Red Hatが2月15日に発表した「Red Hat Enterprise Linux 4」を基に,3社で日中韓の言語機能など独自の仕様を追加する。

 Asianux 2.0の特徴は,RAS(信頼性,可用性,保守性)の強化。カーネル2.6を採用することで主に実現する。搭載するカーネルのバージョンは2.6.9の予定。カーネルの強化以外に,日本のOSS推進フォーラム開発基盤で開発しているカーネルのイベント・トレーサ「LKST(Linux Kernel State Tracer)」も搭載する。LKSTはカーネルの障害対応だけでなく,カーネルの性能測定にも利用できる。

 アジア圏の言語に特化しているのも特徴。対応する言語は,日本語,中国語,台湾語,韓国語,英語の5カ国語。文字コードはデフォルトではUTF8だが,EUCやSJISも利用可。中国の官公庁の入札に必要なGB18030も使える。デスクトップ環境としては,Red FlagがKDEを基に開発した「ReFineD」を採用する。

 7月末のリリース時点で,x86,x86-64,IBMのOpen Powerの各アーキテクチャに対応する。Itanium 2には,最初のサービス・パックのリリース時に対応するという。

 3社は,それぞれAsianux 2.0を基にした製品を発売する。ミラクル・リナックスは10月に「MIRACLE LINUX V4.0 - Asianux Inside」を発売予定。Red Flagは「Red Flag DC Server 5.0 - Asianux Inside」,Haansoftは「Haansoft Linux 2005 - Asianux Inside」をそれぞれ発売する。

(日経ソフトウエア)