野村総合研究所(NRI)は4月20日に,J2EE(Java 2 Platform,Enterprise Edition)開発フレームワークの新版であるオブジェクトワークスR5.5を出荷開始した。オブジェクトワークスはビジネス・ロジック開発やシステム連携など,役割の異なる複数の製品で構成するフレームワーク製品ファミリの名称である。

 旧版(R5.0)からの変更点は,(1)ミッション・クリティカル・システム構築基盤の提供,(2)Webサービス基盤であるオブジェクトワークス/WSPの機能強化,(3)Flashクライアントへの対応,(4)オープンソースの統合開発環境Eclipse用のビジネス・ロジック開発支援プラグインの提供――など。

 (1)は,ビジネス・ロジック構築フレームワークであるオブジェクトワークス/BLoCをベースに,トランザクション制御機能を組み込む。ほかに,ジャーナル採取や閉そく処理に対応した高信頼性の部品を構築するためのフレームワークを搭載した製品「オブジェクトワークスBLoC/EOP」として提供する。「従来はメインフレームで実現していた機能を,オブジェクトワークスのようなミドルウエアでサポートするための基盤を提供する」(NRI基盤ソリューション事業本部 基盤ソリューション推進部の内山昇主任システムコンサルタント)。既存システムからの段階的な移行を考慮して,プロトコル/メッセージ変換や,データ・マッピング機能なども提供する。

 (2)は,既存システムをコーディングなしでWebサービス化する製品。複数のアプリケーションを呼び出す機能の追加,他システムと接続するコネクタの拡充,定義ベースでの入力エラー・チェック機能の追加などの強化を施した。

 (3)は,プレゼンテーション・フレームワーク製品であるオブジェクトワークス/COREに対して,Flashで構築したクライアントと連携するためのサーバー・モジュールFlash Remoting MX(米Macromediaが開発)を操作する機能を組み込み,「オブジェクトワークス/CORE Flash」として提供する。現在は,クライアントをFlash MXなどで一から作る必要がある。今後Flashコンテンツをサーバーサイドで動的に生成するMacromedia Flexとの連携も視野に入れていくという。

 (4)は,ビジネス・ロジック開発フレームワークであるオブジェクトワークス/BLoC用のエンティティ(データベース)のマッピング定義をEclipse上で容易に設定できるようにするもの。将来は部品の振る舞いなどを記述するシナリオ定義などもEclipse上で設定できるようにするという。

(日経ソフトウエア)