カール・アジア・パシフィックは,Webアプリケーション開発用プログラミング言語Curlの新版を3月15日に販売開始する。新版では,日本語入力の制御機能を強化すると同時に,開発環境(CurlIDE)の価格を現在の19万8000円から5万9800円へと大幅に値下げ。国内市場での普及を目指す。

 Curlは,クライアント(Webブラウザ)側における表示や処理を記述するための独自プログラミング言語。サーバーからプログラムをダウンロードし,クライアント側で処理を実行する。サーバーに負荷をかけないことに加えて,ユーザー・インタフェース画面の見栄えや操作性がよい「リッチ・クライアント・アプリケーション」を開発できるのが特徴。

 新版では,(1)日本語入力制御機能,(2)オフライン利用を可能にする機能,(3)表形式アプリケーションを開発するためのソフトウエア部品(コンポーネント),(4)データ・アクセスを容易にする機能,などを追加した。(1)は,ユーザーがブラウザ上のテキストフィールドなどに文字を入力する際に,プログラム側で全角かな,半角かな,英数字などの入力モードを切り替えられるというもの。(2)は,モバイル環境などプログラムをいったんダウンロードすれば,接続を切ってもアプリケーションを使用できる機能である。

 リッチ・クライアント開発ツールとしてはほかに,マクロメディアのMacromedia Flashがあるが,現時点では,Flashは基本的にコンシューマ向け,Curlはエンタープライズ向けという“住み分け”ができている。「競合する技術はむしろ,スマート・クライアント戦略を打ち出しているマイクロソフトの .NET」(Curlを販売するクオリテックの福岡博文社長)としている。

(日経ソフトウエア)