米Borland Softwareは2003年12月に,.NETアプリケーション開発ツール「Delphi 8 for the Microsoft .NET Framework」を出荷開始する。11月3日に米San Joseで開催されたBorland Conferenceの会場で発表した。Architect Edition,Enterprise Edition,Professional Editionの三つのエディションがあり,同社のWebサイトでの直販価格はそれぞれ3000ドル,2000ドル,999ドル。日本語版については,11月28日に東京都港区の泉ガーデンギャラリーで開催するDelphi Developers Day 2003で発表する予定。

 Delphi 8 for the Microsoft .NET Frameworkは,その名の通り「Delphiの .NET版」だ。.NET Frameworkが標準で用意するコンポーネントを利用して,.NET用Windowsアプリケーション,ASP .NET用Webアプリケーション,XML Webサービスなどを開発できる。Borlandが開発したコンポーネント「VCL(Visual Component Library)」の .NET版であるVCL for the Microsoft .NET Frameworkも付属しており,既存のWin32ベースのDelphiアプリケーションをわずかに変更するだけで .NET環境に移植できるという。ただし,言語仕様,VCLとも,旧版と新版の間でソースコード・レベルでの完全な互換性はない。

 データベース関連では,Oracle,DB2,InterBaseなどのRDBMSと簡単に接続できるコンポーネント群BDP(Borland Database Provider)を用意。加えて,BDE(Borland Database Engine)やdbExpressを利用してデータベースにアクセスするためのコンポーネントも搭載する。このほか,Enterprise Editionにはモデル駆動型開発フレームワークECO(Enterprise Core Objects) for .NETやプロファイリング・ツールOptimizeit Profiler for the Microsoft .NET Frameworkが付属する。

(日経ソフトウエア)