アドビ システムズは,文書作成/閲覧ソフト「Acrobat」用のプラグイン・ソフトなどを開発するための開発キット「Acrobat 6.0 SDK」の日本語版を2003年12月初旬に提供開始する。英語版のAcrobat 6.0 SDKは2003年8月末から提供しているが,今回提供するのはドキュメントを日本語化したもの(現状でも一部は日本語化されている)。ただし,このSDKを入手するには,同社の開発者支援サービスAdobe Solution Network(ASN)の会員(年会費2万5800円から)になる必要がある。

 Acrobatは,電子ファイルとして広く利用されているPDFファイルを作成/表示するソフト(Professional版が5万4800円など)。アドビ システムズが無償で提供しているAdobe Reader(PDFファイルの表示/印刷ソフト)はAcrobatの一部機能である。AcrobatのSDKを使うと,AcrobatおよびAdobe Readerで動作するプラグインなどを開発できる。また,企業内の文書管理システムや独自のアプリケーションにAcrobatの機能を組み込むといったこともできる。

 SDKには,主にC言語で書かれたAPI関数のライブラリ,ヘッダー・ファイル,ユーティリティ,サンプル・コード,ドキュメントなどが含まれている。マイクロソフトのVisual C++ 6.0やメトロワークスのCodeWarrior for Macintoshなどの開発ツールから利用できる。

 アドビ システムズはAcrobatのSDKを,バージョン5.0までWebサイトで無償公開していたが,バージョン6.0からはASN会員だけがダウンロードできるようにする。ASNには,サービス内容に応じて,年会費13万8000円のPremiumコースと同2万5800円のBasicコースの2種類がある。SDKはどちらのコースでも入手できる。ASNの詳細は同社のWebサイトを参照してほしい。

(日経ソフトウエア)