標準でBorland C++ CompilerとGCC(GNU Compiler Collection)が付属し,Intel C++ Compiler,Metrowerks CodeWarrior,Microsoft Visual C++,Sun Forte C++に標準で対応する。ほかのC/C++コンパイラにも,コンパイラに渡すパラメータなどを定義したプロファイル情報をユーザーが用意すれば対応できる。アプリケーションは基本的に,各コンパイラが備える標準ライブラリを使って開発する。既存のC++Builderが備えるようなビジュアル開発向けライブラリは付属しないので,フォームにGUI部品を貼り付けていくといったビジュアル開発は行えない。ボーランドでは,もともと移植性を重視したC++言語は,ビジュアル開発よりもマルチプラットフォームや,モバイル,組み込み用途にニーズがあると判断したようだ。
C++BuilderXには三つのエディションがある。企業内のC++開発者に向けた「Borland C++BuilderX Enterprise」,制御系や組み込み用アプリケーション開発者向けの「Borland C++BuilderX Developer」,C/C++の学習や教育を目的とした無償の「Borland C++BuilderX Personal」である。Enterprise版のみ独自のデータベース・アクセス用ライブラリを備える。
価格はEnterpriseが24万円,Developerが4万8000円,Personalは無償(ダウンロードのみ)。Personalのダウンロードは,10月中旬に始まる予定である。Enterprise版には,モデリング・ツールをバンドルした「Borland C++BuilderX Enterprise Together Bundle」も用意する(価格は42万円,10月上旬に出荷開始予定)。
(日経ソフトウエア)