一太郎 for Linuxは,当初はWine(Wine is not an emulator)と呼ぶフリーのライブラリを利用して開発する。Wineは,X Window System上のWindows APIライブラリ。Wineを使うと,Windows用の実行ファイルをLinux上で動かせる。例えばWindowsに標準で付属するメモ帳などは,そのまま動作する。ただ,Wineはまだ開発途上にあり,すべてのWindows APIが実装されているわけではない。特に印刷関係に実装されていないAPIが多い。さらに,日本語化も不十分である。したがって,日本語版のWindows用ソフトの場合,Wineを使ってもLinuxでそのまま動かすことは難しい。Wineに実装済みのAPIで代替するようにWindows用ソフト側に手を入れたり,Wineそのものに手を入れるなどの必要がある。同社は将来は,一太郎 for LinuxをLinuxネイティブにする意向を示している。
一方かな漢字変換システムに関しては,すでにLinuxネイティブの「ATOK X」を発売していることもあり,ATOK16 for LinuxはLinuxネイティブで開発する。
(日経ソフトウエア)