日本VBA協会は4月8日,Microsoft Officeに搭載されたプログラミング言語VBA(Visual Basic for Applications)のユーザー向けに,検定試験によってVBAスキルを評価する資格制度「VBAエキスパート」を4月17日に開始すると発表した。VBAに関して全国規模で検定試験を行う資格制度は国内初と言う。

 日本VBA協会は,VBAエキスパートを企画運営する母体として4月8日に発足した非営利団体である。Officeのユーザー会「MOUG」を運営するプロジェクト・エーの大村あつし社長(写真)が発起人兼事務局長となり,理事長に元日本IBM副社長の佐伯達之氏が就任した。マイクロソフトは協賛しているが,企画運営には関与していない。

 同協会によると,国内には200万人を超えるVBAユーザーがおり,その多くは自分でプログラム開発を行って事務作業の効率化を図っていると言う。大村氏は「これまでは高度なVBAスキルを客観的に評価する指標がなかったので,自分のスキルを企業にうまくアピールできなかった。VBAエキスパートで資格を与えることにより,VBAユーザーの雇用を活性化したい」と語る。そのために「まずは人材派遣会社の協力を得て,派遣登録者にVBAエキスパートを受験してもらい,一般企業への認知度を高めていきたい」(同)としている。

 検定試験の対象となるソフトはExcel 2002とAccess 2002。それぞれで,初心者向けの「ベーシック」,中級者向けの「スタンダード」,上級者向けの「プロフェッショナル」の3段階を設定し,合計6種類の試験がある。これらのうちExcel 2002のベーシック(受験料1万3500円)とスタンダード(同1万5000円)の第1回試験を4月17日に実施する。残りの試験も順次開始し,2003年10月には全試験がそろう予定。試験はアール・プロメトリックに委託し,全国約110個所の同社認定試験会場で受験できる。試験はCBT(Computer Based Testing)で行われ,試験終了時にその場で合否がわかるという。

 ただし,VBAは米Microsoftの .NET戦略により,近い将来大きく姿を変えてしまう可能性がある。そうした懸念に関して佐伯理事長は,「VBAで実績を積んだうえで,将来的には類似したもの,新しいものも取り込んでいきたいと考えている。日本VBA協会は,Visual Basic for Applicationsだけでなく,Value for Business Applicationsを追求する団体でもある」と答えた。

(日経ソフトウエア)