ソフトウエア・テストを専門に手がけるサイクスは2月5日,情報システムの品質と開発リスクを適正に管理するテスト業務マネジメント方法論「TPRe(Test Process Renovation)」を発表,同時にTPReをベースにしたコンサルティングやトレーニングからなるテスト・ソリューションの提供を開始した。システムを開発するSIer側だけでなく,システムを使うユーザー側に対してもソリューションを提供する。

 TPReは,プロセス指向のテスト方法論。テスト業務を「ピープル(人)」「技法」「環境」の視点で分析するのが特徴で,テストの計画,テストケースの設計,実行,評価までテスト全体をカバーする。TPReを導入することで,テスト・プロセスの進ちょくが明確になり,予算,時間,品質などを適正に管理できるという。特定のテスト手法やテスト・ツールに依存していないので,多様なプラットフォームや,さまざまな規模のシステム開発に応用できる。

 TPReをベースにして同社が提供するソリューションは,テスト業務の改善コンサルティングを行う「テストアセスメント」,個別プロジェクトに同社のコンサルタントを参画させてテスト業務を支援する「テストマネジメント」,TPReを教育する「トレーニング」の三つ。システムを開発するSIerはもちろん,システムを発注/受け入れるユーザー側も提供対象となる。実際,金融機関などのユーザー側企業が,同ソリューションの導入を検討しているという。

 同社では今後,TPReやテストの重要性を啓蒙するために,書籍の執筆やニュースレターの配布などさまざまな活動を行う予定。TPRe自身も公開し,米Rational Softwareが提唱するソフトウエア開発方法論RAP(Rational Unified Process)や,XP(エクストリーム・プログラミング)などのアジャイル(俊敏な)開発手法に対応した,より実践的な方法論も今後発表していきたいという。

(日経ソフトウエア)