製品名 | 希望小売価格 |
JBuilder 7 Personal | 同社Webサイトで無償配布 |
JBuilder 7 SE アカデミック | 2万円 |
JBuilder 7 SE | 4万8000円 |
JBuilder 7 Enterprise アカデミック | 16万円 |
JBuilder 7 Enterprise | 36万円 |
Borland Enterprise Studio 4 for Java | 60万円 |
Personalのダウンロードは7月中旬に開始。Borland Enterprise Studio 4 for Javaの出荷は7月。ほかの製品の出荷は6月24日だ。Borland Enterprise Studio 4 for JavaはJBuilder 7のほか,設計ツールRational Rose Professional J Edition,複数開発者の共同作業を支援するRational Unified Process,Optimizeit Suiteを含む。JBuilder 7のEnterpriseとOptimizeitの両方が欲しいなら,Enterprise Studioの方が買い得感がある。
JBuilderが新バージョンで行った機能拡張は,(1)J2SE 1.4,J2EE 1.3に対応した,(2)Mac OS Xで使えるようにした,(3)Javaアプリケーション・サーバー製品であるBEA WebLogic 7.0,iPlanet Application Server 6.5,Oracle 9i Application Serverを利用できるようにした,(4)プロジェクトのビルドにApache Ant(詳細はこちら)を採用した,(6)WindowsのEXEファイルをはじめとする,OS固有の実行ファイルを作成できる「ネイティブ実行可能ファイルビルダ」,など。全体としては,環境の変化に合わせたマイナーチェンジという印象が強い。
(6)の機能にはコメントが必要だろう。これは,OS,CPU固有のバイナリ・コードで作られたローダーとJARファイルを一つのファイルにまとめたもの。JavaプログラムがCPU固有バイナリになるわけではなく,プログラムの実行にはJava仮想マシンが別途インストールされている必要がある。ただ,ローダーがJava仮想マシンがどこにインストールされているかどうかを探してくれるため,JARファイルを呼ぶコマンドラインを設定する必要がない。ユーザーから見ればOS固有の実行ファイルと同じ感覚で使えるというわけだ。Javaでクライアント・アプリケーションを作る場合には便利な機能だろう。
これまでJBuilder 6 Professional(6万8000円)を使ってきた開発者は,JBuilder 7ではSEを使うか,Enterpriseを使うかという選択になる。Webアプリケーション開発機能,データベース・アクセス用のコンポーネントがSEには入っていないので,これらを必要とするならEnterpriseにアップグレードするしかない。痛い出費になる場合もあるだろう。
今回目玉と言えるのは,Optimizeitと言えるかもしれない。Optimizeitは米Borland Softwareが2002年1月に買収した米Redline Software(ブランド名VMGEAR)が開発したJavaプログラム用の性能評価/テスト・ツール。(1)プロファイラ,(2)スレッド・デバッガ,(3)テスト支援ツール「Code Coverage」の三つから成る。これまでボーランドは英語版を販売してきたが,日本語化して販売するのは今回の4.2が初めてだ。「3年間かけて開発された非常に優れた製品だ。Javaプログラムのパフォーマンスを3~4割改善することができ,サーバーの数を減らしてコストを削減できる」(米Borland SoftwareのDale Fuller社長兼最高経営責任者)という。
(日経ソフトウエア)