富士通は6月に,COBOL開発ツールの新製品「NetCOBOLシリーズ」の出荷を開始する。NetCOBOLには,大きく分けて.NET版の「NetCOBOL for .NET V1.0」(出荷は6月から),Windows版の「NetCOBOL for Windows V7.0」(7月から),Solaris版の「NetCOBOL 7.0」(7月から)の3種類がある。.NET版は「Base Edition」(価格は24万円)のみだが,Windows版とSolaris版には「Base Edition」,「Standard Edition」,「Professional Edition」という三つのエディションがある。価格はWindows版がそれぞれ24万円/39万円/58万円,Solaris版がそれぞれ80万円/120万円/150万円。Windows版には,XML(Extensible Markup Language)を扱うための「XMLオプション」(9万8000円)と,同社汎用コンピュータ用の文字コード体系EBCDIC/JEFを扱うための「JEFオプション」(9万8000円)もある。

 どの製品を使う場合にも,作成したアプリケーションを配布する場合,運用環境に「運用パッケージ」を別途購入してインストールする必要がある。価格はBase Editionの「クライアント運用パッケージ」が4万8000円,Base Editionの「サーバー運用パッケージ」が30万円などとなっている。

 .NET版は,米Microsoftの開発ツールVisual Studioとまったく同じ統合開発環境(IDE)を備えており,.NET Framework上で動くアプリケーションを開発できる。ASP .NETを使ったWebアプリケーションや,XML Webサービスの開発も可能だ。

 Windows版とSolaris版はこれまで販売してきた「PowerCOBOL97シリーズ」の後継製品にあたる。従来と同様のIDEを持ち,ソース・レベル,オブジェクト・レベルで従来製品と互換性がある。つまり,CPU依存のバイナリ・コードを生成するわけで,こちらは.NET向けというわけではない。

 同社は「今後3年間で,国内で30万ライセンスの販売を予定」(発表文)している。ただ,この数値にはランタイム・ライセンス(有償)の本数が含まれるので,30万人の開発者がNetCOBOLを使うという意味ではない。

 NetCOBOLの詳しい情報はこちら。ただ,5月9日17時10分現在,まだ公開されていない。富士通は「本日中に掲載の予定」としている。

(日経ソフトウエア)