日本オラクルは4月9日に開いた記者向け説明会で,全面的に新規開発したJavaベースの開発ツール「Oracle9i JDeveloper」(細かいバージョンは9.0.2になる見込み)を7月にも出荷すると言明した。同社は現在Java開発ツールとして,米Borland Softwareが開発したJBuilder 3をベースにした「Oracle JDeveloper」を販売している。Oracle9i JDeveloperはその新バージョンという位置付けだが,中身はJavaで全面的に新規作成したものだ。米国では2001年8月にベータ版を,12月にRC(Release Candidate)の1を,今年3月にRC2を公開,5月に製品出荷の予定である。日本では今年1月にRC1を,4月にRC2を公開した。正式な製品は7月または8月に出荷する計画だ。

 現バージョンはOracle Internet Developer Suite(62万5000円)という開発ツール・スイート製品の一部として販売しているが,Oracle9i JDeveloperは単体での販売も考えている。「Oracleと組み合わせなくても競争力があるツールだ,JBuilderと同等の価格レンジにしたい」(製品本部システム製品マネジメント部9iアプリケーションサーバー製品グループの杉達也担当マネジャー)という。

 Oracle9i JDeveloperは,JDK 1.3の環境で動作する。Java,JSP(JavaServer Pages),XML,HTML,SQLなどの編集ができるのはもちろん,Oracle9i Application Server,BEA WebLogicへのソフトのアップロード(デプロイメント),JSPのカスタム・タグ開発支援機能,チューニングに役立つプロファイラやコードの修正を支援する「CodeCoach」機能,UML(Unified Modeling Language)モデリング機能,データベース・アプリケーション開発を容易にする「Business Components for Java(BC4J)」,Webアプリケーション開発に使う「User Interface XML(UIX)」,SwingとBC4Jを使ってアプリケーションを作る「JClient」,Webサービス開発用ウィザードなどを搭載している。今夏出荷のバージョンには間に合わないと思われるが,その次のバージョン(9.0.3とみられる)ではApache AntCVSJUnitStrutsといったオープンソースの開発支援ツールを,JDeveloperのIDEに組み込むことができるようにする。

(日経ソフトウエア)