マイクロソフトは3月22日に,統合開発ツールの新バージョンVisual Studio(VS).NET日本語版の出荷を開始する。VS .NETは,VS 6.0(1998年10月出荷開始)以来,実に3年半ぶりの新バージョン。米国では2月13日にVS .NETパッケージの出荷が始まったので,日本語版は約1カ月遅れの出荷となる。
 引き続いて4月19日には,VS .NETに含まれている三つのプログラミング言語「Visual Basic(VB).NET」「Visual C++ .NET」「Visual C#」それぞれの単体パッケージを出荷する。

基本のエディションは3種類

 VS.NET日本語版のパッケージには7種類ある(表)。基本になるのは,Professional,Enterprise Developer,Enterprise Architectの3種類のエディションだ。現行のVS 6.0のパッケージにはProfessionalとEnterpriseの2種類があるので,最上位にEnterprise Architectが加わったことになる(元々のEnterpriseはEnterprise Developerにあたる)。

 VS .NETの中位エディションであるEnterprise Developerは,Professionalの機能に,大規模システム開発を支援する機能が加わったもの。具体的には,ソースコード管理ツールVisual SourceSafeや分析ツールVisual Studioアナライザが付属する。最上位のEnterprise Architectにはさらに,Officeアプリケーションの作図ツールVisioをベースにしたデータベース/UML(Unified Modeling Language)モデリング・ツールが付属する。VS 6.0のEnterprise版にはモデリング・ツールとして米Rational SoftwareのRational Roseの機能限定版であるVisual Modelerが付属しているが,これがVisioに変更される形だ。

 Academicエディションは,Professionalに入門用書籍や学習ツールが付属したものである。教職員/学生向けに販売する。残りの三つのパッケージは,日本独自の製品だ。基本になる3種類に開発者向け支援サービスMSDN(Microsoft Developer Network)の権利を同こんする(エディション名の後ろにMSDN Deluxeが付く)。これらのパッケージには,Windows XP Professional(開発/テスト用ライセンス)が付属するほか,オフィス・ソフトなど最新アプリケーションのダウンロード・サービスを利用できる。ただし,具体的なサービス内容はエディションによって異なる。

 4月に出荷する単体パッケージの価格は,それぞれ1万2800円(推定小売価格)。現行のVisual Basic 6.0とVisual C++ 6.0がそれぞれ2万5000円前後で売られていることを考えると割安感がある。ただし,既存ユーザー向けのアップグレード・パッケージは用意していない。

  Visual Studio .NET
エディション Professional 同MSDN Deluxe Enterprise Developer 同MSDN Deluxe Enterprise Architect 同MSDN Deluxe Academic
出荷開始 3月22日
推定小売価格(アップグレード用パッケージ) 14万8000円(8万4800円) 15万8000円(9万4800円) 22万8000円(14万8000円) 24万8000円(15万8000円) 35万円(24万円) 38万円(26万円) 2万4800円
対応OS Windows XP,Windows 2000(SP2以上),Windows NT 4.0(SP6a以上)
機能概要 ●.NETアプリケーションの開発機能
●複数言語のサポート(Visual C#,Visual Basic .NET,Visual C++ .NETほか)
●強化された統合開発環境(IDE)
Professionalの全機能に加えて
●開発支援/テスト/分析ツール(Visual SourceSafe 6.0c,テスト・ツール,Visual Studioアナライザなど)
●開発/テスト用SQL Server,Exchange Server
などが付属
Enterprise Developerの全機能に加えて
●Visioベースのデータベース/UMLのモデリング・ツール
●開発/テスト用BizTalk Server
などが付属
Professionalの全機能に加えて
●入門用書籍や学習ツール
などが付属

(日経ソフトウエア)