テクマトリックスは3月下旬に,Java対応テスト・ツールの新版「Jtest4.2」の出荷を開始する。動作プラットフォームは,Windows NT 4.0/2000。価格は49万8000円から。

 Jtestは,テスト・ケース生成からテスト実行までを自動化するユニット(単体)テスト用のツール。Jtestの開発者である米ParaSoftのCarson Ellsworth氏が新版の製品セミナーに合わせて来日し,本誌記者との会見に応じた。会見の要旨は以下の通り。

――新版の最大の特徴は何ですか?

 XP(エクストリーム・プログラミング)のテスティング・フレームワークであるJUnitと連携できるようになったことです。ユニット・テストは米国でも残念ながら,十分には普及していません。しかし,XPが大きなムーブメントになり,ユニット・テストへの注目度が高まっています。ユニット・テストを行えば品質が向上し,結果的に生産性も向上するからです。我々はJtestを使って,ユニット・テストを行う開発者を支援していくつもりです。

――他社の開発ツールと連携して使えますか?

 JBuilder(開発は米Borland Software)やVisualAge(開発は米IBM)といったJava開発ツールと組み合わせて使えます。また,JSP(JavaServer Pages)の自動テストができるようにもなりました。さらに日本語版では今回初めて,Design by Contract(DbC:契約による設計)というソフトウエア品質手法に対応しました。

――DbCとはどんな手法ですか?

 オブジェクト指向言語Eiffelで採用された概念で,クラスやメソッドの役割をドキュメント化し,プログラムの正当性を検証する手法です。例えばメソッドを評価する場合に,そのメソッドに対する事前条件,事後条件,不変条件などを「契約(Contract)」として明記し,プログラムがこの契約に違反しないかどうかで品質を判断します。

――JtestではどのようにDbCを利用するのですか?

 Jtestではソースコード中のJavadoc用コメント欄に事前条件や事後条件を記述できるように,@preや@postといった独自のタグを用意しました。このタグを使って条件を記述すれば,Jtestが自動的にテスト・ケースを生成します。テストも自動的に行われ,契約に反する場合はエラーとして報告されます。

(日経ソフトウエア)