米Microsoftは2月5日,同社のJava開発ツールVisual J++ 6.0(VJ++)で開発したJavaのソースコードをC#に自動変換するツール「Java Language Conversion Assistant(JLCA)」を発表し,同社のWebサイトでベータ版の無償配布を開始した。

 JLCAは,今春発売予定の開発ツールVisual Studio .NET(VS .NET)に組み込んで利用するアドイン・ソフト。JLCAを組み込んだVS .NETで,VJ++で作成した既存のプロジェクトを選択すると,C#のプロジェクトに自動変換する。具体的には,基本的なJavaの構文のほか,Windows APIを直接呼び出すJ/Directの命令,JDK1.1.4相当のクラス,WFC(Windowsアプリケーション開発用クラスライブラリ)を使ったフォームなどを,対応する.NETのクラスやフォームに変換する。ただしベータ版では,一部変換できないものもある。

 Microsoftは2001年1月に,Javaプログラマを.NETフレームワークへ移行させるツール群「Java User Migration Path to Microsoft .NET(JUMP to .NET)」を発表した。これは,(1)VJ++で開発したJavaアプリケーション(Javaバイトコード)を.NETで動作可能にする,(2)VJ++で書かれたJavaのソースコードを.NETで動作可能にする,(3)VJ++で書かれたJavaのソースコードをC#に変換する──ツールを今後提供するというもの。このうち(1)と(2)は2001年10月に発表した「Visual J# .NET」で実現しており,今回のJLCAは(3)に相当する。

 JLCAは米ArtinSoft社の技術を基に開発された。同社は,JLCAの上位製品(スーパーセット)に当たる「Java Language Conversion Assistant Enterprise Edition(JLCA EE)」を開発中である(2002年後半に出荷開始予定)。JLCA EEでは,MicrosoftのJLCAが対応していないJavaBeans, EJB(Enterprise JavaBeans), Swing,RMI(Remote Method Invocation)などを利用するJavaソースコードをC#に変換できるという。

 マイクロソフト日本法人は,JLCA日本語版の提供については未定としている。ただし,Visual J# .NETの日本語版は,VS .NET日本語版の出荷開始後に提供する(時期は未定)と公表している。JLCAの日本語版もいずれ提供されるとみていいだろう。

(日経ソフトウエア)