米Borland Softwareは10月23日,Linux用ビジュアル開発ツールKylix(カイリックス)の新バージョン「Kylix 2」を発表,Professional EditionとEnterprise Editionについては即日出荷を開始した。価格はOpen Editionが無償,Professional Editionが249ドル,Enterprise Editionが1999ドルである。Open Editionについては,2001年第4四半期中にダウンロードできるようにするという。Kylixの最初のバージョンの出荷は2001年3月なので,同社の力の入れ様がうかがえる。

 今回の発表ですぐに気付くのは,エディションの名称が変わったことだ。これまではOpen Edition以外のエディションは,Desktop DeveloperとServer Developerという名前だったが,それぞれProfessionalとEnterpriseという,「Delphi」や「JBuilder」と同じエディション名を採用した。これまでServer Developerと名乗っていたのは「Enterpriseと呼べるほどのものではない」(関係者)という理由からだった。Kylix 2で企業向けの機能を拡充したことで,なんとかEnterpriseと呼ぶにふさわしいものになったということだろう。

 Enterprise Editionに関してバージョン1との具体的な違いは,(1)Webサービス作成用のコンポーネントを追加(BizSnap),(2)Webアプリケーション開発機構の強化(WebSnap),(3)データベース接続機能の強化(DataSnap),(4)同社のORB(Object Request Broker)ソフト「VisiBroker」を使ってCORBA(Common Object Request Broker Architecture)準拠の開発ができるようになった,など。これらは同社がこの6月に出荷したWindows用ビジュアル開発ツール「Delphi 6」がすでに持つ機能である。

(日経ソフトウエア)