Web技術の標準化機関W3C(World Wide Web Consortium)は10月24日,XML(Extensible Markup Language)のスキーマ仕様XML Schemaを勧告候補(Candidate Recommendation)として公開した。

 XML Schemaは,XMLで扱うデータ型や構造をどのように定義するかを決めた仕様。入門編となるXML Schema Part 0:Primer,構造仕様をまとめたXML Schema Part 1: Structures,データ型をまとめたXML Schema Part 2: Datatypesの三つの仕様で構成する。W3Cでは,ドラフト(Working Draft),勧告候補(Candidate Recommendation),勧告案(Proposed Recommendation),勧告(Recommendation)の順番で標準化が進むので,今回の仕様はまだ最終決定とは言えない。しかしW3Cでは,今回のXML SchemaをXML開発者がレビューし,活発なテストを繰り返すことを望んでいるとプレスリリースで呼びかけている。

 XML文書の構造を規定する仕様には,すでにDTD(文書型定義)がある。だがDTDには,(1)XMLとは異なる文法を使っている,(2)データ型がない,(3)名前空間(Namespaces in XML)と整合性がない,などの問題があり,EDI(企業間通信)やWebページ作成などの広範囲な目的でXMLを利用するうえで大きな障害となっている。そのためW3Cでは,より広範囲にXMLを利用できるようにするため,標準化仕様XML Schemaの策定に乗り出し,1999年5月に最初のドラフトを発表していた。しかし,仕様の内容が膨大になるにつれ策定作業は難航。今回ようやく勧告候補まで漕ぎ着けた,というのが実情だ。(日経ソフトウエア)