トレンドマイクロは8月18日、小学生向けのセキュリティセミナー「夏休み自由研究体験教室」を開催した。小学校3~5年生とその保護者を対象に、インターネットの安全な使い方について理解を深めてもらうのが狙いだ。

 同社エンタープライズ営業統括本部 ストラテジックマーケティンググループ セグメントマーケティング課の瀬川正博シニアマーケティングスペシャリストが、インターネットに潜む危険に関して解説した。例えばウイルスなら「パソコンをこわすわな」、スパイウエアやフィッシング詐欺なら「名前や住所をぬすむわな」と言い換えたり、フィッシング詐欺サイトと本物のサイトを見せて「本物はどれか」クイズを入れたりと、小学生向けにかなりかみ砕かれた内容だ。

 被害に遭わないためにウイルス対策ソフトを使うこと、インターネットで見ず知らずの人に住所や名前を明らかにしてはいけないこと、ネットに書いてあることは本当とは限らず、時にショッキングな内容も含まれるためWebサイトを見る場合は家族と一緒に見ること、などの心得も説かれた。

 子どもにセキュリティを語るには、当然、保護者も対策について分かっていなければならない。今回のセミナーでは保護者向けの講義も用意されていた。トレンドマイクロの提供する動画コンテンツ(http://www.trendmicro.co.jp/anzen/)を利用して子どもたちが学習している間、保護者は「ウイルス対策ソフトを無効にできないようにパスワードなどで保護をかける」「セキュリティ対策ソフトやISPのサービスを使って迷惑メールや有害サイトをしゃ断する」など、より詳しい対策を交えた説明を受けていた。

 参加したのは小学生19人とその保護者。受講者は、トレンドマイクロがWebサイトやメールマガジンなどで一般募集した。「自分で子どもに教えられないので専門家にお願いしたい」という保護者の応募が多いという。同社では、今後も何らかの形でこうしたセミナーを開催してゆく予定だ。

(田村 奈央=日経パソコン)
 

講義はおおむね好評で、「参加者は多い場合で毎日、少ない場合でも週に2~3回はインターネットを使っている比較的リテラシーの高いお子さんが多かった。そのため少し難しい用語が出ても、逆に楽しんでもらえたようだ」(同社広報)という 講義の後はトレンドラボに場所を移して、外部のネットワークから隔離された環境で、実際にウイルスを動かすところなどを見学。写真はトレンドラボ・ジャパン アンチ・ウイルスセンターの岡本勝之ウイルスエキスパート

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・トレンドマイクロ http://www.trendmicro.co.jp/