マイクロソフトは7月27日、7月1日付けで日本法人社長に就任したダレン・ヒューストン氏が就任会見を行った。

 会見の冒頭、ハードウエアの進化と共に、デジタル情報を管理するソフトウエアこそが、今後ますます重要になってくると強調したヒューストン氏。マイクロソフト日本法人の創立20周年という節目にあたり、3カ年計画「PLAN-J」を策定したと発表した。

 「PLAN-J」は、マイクロソフト日本法人が、今後3年間で企業使命として取り組んでいく3つの方針を示したもの。主な内容は以下の通りだ。

 1つ目は、日本での投資を拡大すること。人材雇用を促進し、デジタルデバイドの解消といった社会貢献活動にさらに注力する。

 2つ目は、技術革新を促進すること。次期OS「Windows Vista」や次期Office「Office 12」(開発コード)といった新製品を継続的にリリースし、マイクロソフト プロダクト ディベロップメントなどを通じた日本での研究開発を強化する。

 3つ目は、政府や教育機関、産業界とのパートナーシップを深めていくこと。標準規格=オープンスタンダードの採用を促進し、クロスパテントライセンスなどの取り組みを強化。学術機関とも連携を深める。

 「PLAN-J」での投資額などは明らかにされなかったが、その内容は、日本政府・産業界を強く意識したものになっている。

 また、ヒューストン氏は、今年1年のビジネスにおいて注力する分野を説明した。

 クライアント製品については、「Windows Vista」や「Office 12」といった新製品が登場するのは来年の予定だが、「既存のOffice製品なども、まだ普及していく」との見通しを示した。

 サーバー製品については、日本での普及は(北米など)他の国より遅れをとっているが、ここ1年間で大手金融機関や通信社などでの採用例も出ており、今年は.NETをバックエンドにしたサーバー製品・システムの採用が進むとの見解を明らかにした。オープンスタンダードを採用している良さが理解されるからだという。

 また、年末に発売が予定されている同社の家庭用ゲーム機「Xbox360」については、日本の市場にも受け入れられ成功する、非常に素晴らしい製品に仕上がっていると自信を見せた。

 ダレン・ヒューストン氏は、1966年カナダ生まれの39歳。カナダ政府機関、マッキンゼー・アンド・カンパニー、スターバックス コーヒーを経て2003年に米マイクロソフトに入社。北米地域の中小企業市場を担当する副社長を務めてきた。そんなヒューストン氏は、日本法人にとっては2人目の外国人社長。マイクロソフトに入社してからまだ1年程しか経っていないため、その手腕が注目されている。就任前から日本入りし、準備を進めてきたヒューストン氏が、日本での本格始動を宣言した。

(服部 彩子=日経パソコン