シソーラスを利用した「デジタル類語辞典」のインタフェース。サーバー組み込み型のエンジンでもユーティリティとして付属する
 アンテナハウスは7月14日、言語工学研究所と提携し、日本語処理に関する分野を強化すると発表した。アンテナハウスは同日より、言語工学研究所が開発しているサーバー組み込み用の日本語解析エンジンを販売する。

 言語工学研究所のサーバー組み込み用エンジンはシソーラス、形態素解析、構文解析、全文検索の4つ。シソーラスはある単語の関係語を検索し、分類表示するエンジン。同義語や広義語、語末一致語など単語の意味なども含めて分類された23万語の辞書だ。形態素解析は日本語の文章を単語に分解するエンジンで、文節の区切りを出力したり、品詞ごとに分類することもできる。

 構文解析はどの単語がどの単語を修飾しているかなどの「係り受け」関係や、疑問、否定、希望、などの「発話意図」を取り出すことが可能。全文検索は雑誌の記事検索などにも利用されているエンジンで、100万件の文書を1秒で検索できるという。これらのエンジンは、営業における顧客との取引履歴や、コールセンターに寄せられた声の分析などに利用でき、既に野村総合研究所の「TRUE TELLER」などで採用されている。

 

 アンテナハウスは同社のテキスト抽出エンジンの「TextPorter」とともにこれらを販売し、同社の日本語処理ビジネス分野に力を入れていく意向。「今後は新たな製品を開発し、ラインアップの拡充にも努める」(アンテナハウス代表取締役の小林徳滋氏)という。

 動作環境はシソーラスがWindows95/98/ME/NT4.0/2000/XP、Linux、Solaris、形態素解析がWindows95/98/ME/NT4.0/2000/XP、Linux構文解析と全文検索がWindows95/98/ME/NT4.0/2000/XP。価格はシソーラス、形態素解析、構文解析が31万5000円/1ライセンスで、全文検索は21万円/1ライセンス。(染原 睦美=日経パソコン)