EJBコンポーネントに関するコンソーシアムは2003年3月20日,J2EE(Java 2 Platform,Enterprise Edition)で構築したWebシステムのパフォーマンス・チューニング手法を解説したドキュメント「パフォーマンスに関するHints&Tips集第1版」を同組織のWebサイトで公開した。同組織の会員向けには2002年8月から提供していたものだが,一般ユーザーでも内容を参照できるようになった。これからJ2EEでWebシステムを構築するユーザーはもちろん,既に構築したユーザーも必見である。

 公開したドキュメントは,Webシステムの開発者が考慮すべきパフォーマンス上の課題を検証し,その解決策や考え方を共有することを目的としている。Webシステムを構築する上で必要なパフォーマンスの基礎知識に始まり,JavaサーブレットやEJBの説明では,「HttpSession vs Stateful Session Bean」,「Stateful Session Bean vs Stateless Session Bean」,「CMP(Container Managed Persistence) vs BMP(Bean Managed Persistence)」といったテーマを取り上げ,どういう処理でどちらがどの程度有利かという視点で解説する。

 このほか,Javaプログラミング全般のパフォーマンス上の考慮点,SQLのパフォーマンス・プログラミング,WebサーバーやAPサーバーのチューニング,JMeter,TestMaker,JUnitによるパフォーマンス測定,プロファイラを使ったボトルネックの特定方法---なども詳細に説明してある。

 EJBコンポーネントに関するコンソーシアムは,EJBコンポーネントによる開発や普及の促進を目的とした非営利団体で,2000年10月6日に設立された。現在は77社の会員で構成する。既に,EJBコンポーネントの互換性を保つための「ポータブルコンポーネント規約」,EJBコンポーネントを公開する際に必要となる項目を定義した「コンポーネント仕様/品質情報公開規約」などを策定,一般ユーザーに公開している。

(榊原 康=日経システム構築)