オン・ザ・エッヂは2003年2月13日,PerlでWebアプリケーションを開発するためのフレームワーク「Sledge」を公開した。同社のサイトおよびSouceForgeからダウンロードできる。同フレームワークはオープンソースとなっており,商用目的でも無償で利用できる。GPL(GNU General Public License)ライセンスおよびArtistic Licenseのどちらかのライセンスを選択できる。

 同社では既にSledgeを用いてコミュニケーション・サイト「Telmi」など,多数のWebサイトを構築している。

 Sledgeは3階層でアプリケーションを構築するMVC(Model-View-Controller)モデルを採用している。テンプレートからHTML画面を動的に生成する機能,RDBMSとの連携機能,ユーザーを認証し,同じユーザーからの一連のアクセスを関連づけるセッション管理機能などを備える。セッション管理機能では,クライアントを識別するためのセッションIDをURLに埋め込む方式とCookieに埋め込む方式を選択でき,携帯電話のWebブラウザにも対応する。サーバー側でセッション情報を保管するためにはオープンソースのDBMSであるMySQLやPostgreSQLなどを利用する。

 そのほか,開発環境と本番環境で設定ファイルを読み分ける機能などを備えている。文字コードの自動変換など,日本語環境固有の問題にも対応する。

 今後,Sledgeの機能を拡張するためのプラグインも提供していく方針である。2003年2月14日には,HTTPダウンロードの際にブラウザごとの差異を吸収する「Sledge-Plugin-Download」や,不要となったセッションを自動消去する「Sledge-Plugin-SessionAutoCleanup」など,プラグイン7種を同サイトで公開する予定。今後も「Oracle対応のDB接続プラグインなどを開発をしていく」(Sledge開発の中心となっている オン・ザ・エッヂ 執行役員上級副社長 ウェブ事業部担当 宮川 達彦氏)という。

 Sledgeは,CGIからPerlを呼び出すことのできるWWWサーバー環境で動作する。Apacheとmod_perlを組み合わせた環境でも使用できる。対応OSはFreeBSD,Linux,SolarisなどのUNIXおよびUNIX互換OS。現在の対応RDBMSはMySQL,PostgreSQL,SQLiteで,今後拡張していく。

(井上 英明=日経オープンシステム)