米iAnywhere Solutionsは,サイベース内の一事業部から独立し,2003年2月5日に日本法人アイエニウェア・ソリューションズを設立した。モバイル端末向けデータベース「SQL Anywhere Studio」を中心に,情報システムのモバイル化・ワイヤレス化を促進していく。アイエニウェア・ソリューションズ 代表取締役社長 早川典之氏に,日本市場での今後の展開を聞いた。(聞き手は岡本 藍=日経オープンシステム)

早川典之氏
--日本法人設立の目的は
 アイエニウェアとして国内での販売チャネルを確立し,新たなビジネス・モデルの構築を目指す。日本のモバイル&ワイヤレス市場は非常に発達しており,情報システムのモバイル化を促進するインフラ・ソフトウエアを提供していく。

--新たにどのような製品を提供するのか
 PDA(携帯情報端末)などモバイル端末上で動作するWebアプリケーション・サーバー「Web Anywhere Studio(仮称)」や,携帯電話からのデータベース利用を容易化するライブラリ製品「MicroDB(仮称)」を考えている。いずれも,2003年第1~第2四半期の間に製品化する。

--2つの製品は具体的にどのようなものか
 既存のWebアプリケーションをモバイル端末上でも動作可能にするものだ。SQL Anywhere Studioでは,クライアント用のソフトウエアを作り込む必要がある。SQL Anywhere StudioとともにWeb Anywhere Studioを利用すれば,PDA上のブラウザを使うことができ,より容易にモバイル・システムを構築できるようになる。Web Anywhere StudioはApacheとJSP(Java Server Pages)を実装している。Webアプリケーション・サーバーとモバイル端末にWeb Anywhere Studioをインストールすることで,データベース連携やファイルのやりとりを行うことができる。
 一方,MicroDBは携帯電話に搭載してデータベースとのやりとりを容易にする製品。これまで携帯電話では,タグなどが含まれているコンテンツの中からデータ部分を抜き出して利用していた。様々なコンテンツのタイプに合わせて,データを抜き出す仕組みを実装しなければならず,サーバー側のメンテナンスに負荷がかかっていた。MicroDBは,Java VM対応の携帯電話でデータだけを抜き出して送るためのライブラリを提供し,携帯電話からデータベースに直接アクセスできるようにする。MircoDBにXMLパーサーを組み込み,データはXML(Extensible Markup Language)形式でやりとりする。
 両製品とも,既存のCRMやPOSなどのシステムをモバイル化するのに役立て,モバイル・ビジネスを強化していきたい。