コンピュータ・アソシエイツは2002年10月16日,Unicenterのデータベース運用管理ツール3製品の新版を出荷した。今回出荷したのは,Oracleのデータ抽出を高速に行う「Unicenter Fast Unload for Oracle 4.1 日本語版(以下,Fast Unload)」,Oracleの表やインデックスの再編成を行う「Unicenter TSreorg for Oracle 3.1(以下,TSreorg)」,データベースのパフォーマンスを監視する「Unicenter Database Performance Management for Distributed RDBMS 4.4(以下,Performance Management)」。新版では,3製品ともOracle9i Databaseをサポート対象に加えた。

 Fast Unloadは,Oracleの表や表領域だけでなく,行や列など範囲を選択した上で,必要なデータのみのEXPORTを可能とするツール。OracleのSQLエンジンを経由しないため,OracleのEXPORT機能に比べて高速にデータを抽出できる。新版では,抽出可能なOracleのデータ型に,Object Tableなどを追加したほか,2Gバイトを超えるファイルを出力できるようにした。またパーティション表を抽出する場合,従来は表全体にロックをかけなければならなかったが,新版ではパーティション単位のロックで済むようにした。

 TSreorgは,表やインデックスなどの断片化を解消するための再編成を行うツール。Oracleの表やインデックスなどの断片化の状態を調べ,事前に設定したしきい値を超えたら,再編成を促すアラートを出力する。新版では,オンライン状態で再編成を実行する機能を備えた。具体的には,同ツール上に対象となるオブジェクトのコピーを作成し,再編成を行う。その後,オンライン状態の対象オブジェクトと入れ替える。再編成中のトランザクションは同ツール上に記録しておき,オブジェクトの入れ替え後に反映する。

 Database Performance Management は,データベースのパフォーマンスをリアルタイムに監視し,履歴を分析することでチューニング・ポイントの特定を支援する。基本的には,Oracleなどのデータ・ディクショナリから得られる情報を参考に,メモリーやオブジェクトの利用状況などを監視し,監視項目に関するヘルプ機能を提供する。同ツールを利用することで,スクリプトを書くことなく継続的な監視が可能になる。また,しきい値を設けた監視が容易に実現できる。Oracleのほか,SQL Serverを監視するエージェントも用意する。

 価格は,いずれもサーバー機の性能で決まる。1サーバー当たり,Unicenter Fast Unload for Oracle 4.1 日本語版が48万円から,Unicenter TSreorg for Oracle 3.1が60万円から,Unicenter Database Performance Management for Distributed RDBMS 4.4が36万円から。代替機が用意されている場合は,運用形態によって価格が変わる。

(岡本 藍=日経オープンシステム)