コミュニケーション・ワークスは2002年8月1日,メール・サーバー用アンチウイルス・ソフト「RAV Anti-Virus」(開発はルーマニアのGeCAD)を発売した。SMTP版とMicrosoft Exchange Server版とがある。出荷は8月20日。

 RAV Anti-Virusの特徴は,対応OSが多いことと,メモリー・スキャン機能を持つこと。SMTP版の対応OSは,Solaris 8,Linux(動作保証はRed Hat7.2),FreeBSD,OpenBSD2.8/2.9/3.0。メモリー・スキャン機能により,ディスク・アクセスを行わない特殊なウイルスにも対応できる。

 登録ウイルス数は7月末時点で7万2000。ウイルスのほか,ワーム,受動的攻撃を行う不正なJavaScriptやActiveXも検知対象とする。データ・ファイルの更新ひん度は1日1回で,これらは他の大手ベンダー製品に見劣りしない。影響の大きいウイルスが出回っている場合は,管理者にメールで通知する。これも他ベンダーと同様だ。

 ただし,ラインナップは当面メール・サーバー用のみなので,クライアント用やファイル・サーバー用,ゲートウェイ製品を導入する場合は別メーカーの製品を購入し,管理を分けなければならない。また管理ソフトのGUIが開発中で,今のところUNIXでのデータ・ファイル更新などはコマンド・ラインで実行する必要がある。

 価格は18万5000円(1サーバー,2ドメイン,クライアント数5000以内の場合)から。データ・ファイルを更新するには2年目以降は年間4万円が必要。ISP(Internet Service Provider)での利用を想定した無制限ライセンスは190万円(更新費用は38万円)。Exchange Server版は1サーバー24万円(同6万円)。

(尾崎 憲和=日経オープンシステム)