マイクロソフトラックは2002年7月26日,セキュリティ・ソリューションでの技術提携を発表した。主な提携内容は,(1)マイクロソフト製品のぜい弱性の発見や対策などにラックが協力,(2)両社の製品を活用したセキュリティ対策ソリューションを提供,(3)セミナーの共催,の3つ。

 (1)は,マイクロソフト製品のセキュリティを高めるため,ラックのコンピュータセキュリティ研究所でぜい弱性の発見や検証,解決策のアドバイスなどに協力するというもの。

 マイクロソフトでは製品のぜい弱性に関する情報は,米MicrosoftのMicrosoft Security Response Center(MSRC)の「secure@microsoft.com」というメール・アドレスに対して英語で直接報告するという手続きを取っているが,日本国内からの報告だとどうしてもやり取りに手間や時間がかかる問題があった。

 以前ラックが報告した際もなかなか事態が進展しなかったことがあり,今回の提携ではラックの報告をマイクロソフトの日本法人でも受け付ける体制を整え,問題に迅速に対応できるようにする。

 (2)は,マイクロソフトからの技術支援を受け,ラックがマイクロソフトのセキュリティ対策製品を活用した独自のセキュリティ・ソリューションを提供する。具体的な内容はこれから決まる模様だが,マイクロソフトが無償提供するSUS(Software Update Services:Windows Updateと同じ機能を企業内に設置したサーバーで実現可能にするツール)と,ラックのぜい弱性検査ツール「SNSInspector」(以前はSNS Scannerと呼ばれていたもの)を組み合わせたソリューションを,ラックのパートナを通じて提供する,という例を挙げた。

 (3)は,まず2002年9月頃に共同でセキュリティ・セミナーを実施する。詳細は未定だが,「経営者向け」と「システム管理者,開発者向け」の2つの無償セミナーを予定する。

(榊原 康=日経オープンシステム)