サイベースは2002年7月2日,米iAnywhere Solutionsが開発したモバイル向けデータベースの新版「SQL Anywhere Studio 8 日本語版」の出荷を開始した(Linux版は8月出荷予定)。同製品は,OracleやMicrosoft SQL Serverなど様々な他社製データベースとの同期機能が特徴。旧版からは約2年ぶりのバージョン・アップとなった。米iAnywhere Solutions Worldwide Business Development DirectorのChuck Lownie氏と,同社 International and Sustaining Engineering Senior ManagerのSteven McDowell氏に,SQL Anywhere Studio 8の特徴を聞いた。(聞き手は岡本 藍=日経オープンシステム)

Steven McDowell氏と
Chuck Lownie氏
---新版の特徴は何か
 パフォーマンスを向上させたことと,同期機能の強化を行ったことだ。

---パフォーマンスを向上させたキー・ポイントは何か
 前版まで使用していたオプティマイザ・エンジンでは,大型化するデータベースや,ユーザー数の拡大には対応できないと判断し,エンジンを一新した。また,これまでのインデックス検索では,作成したインデックスそのものが大きくなり,検索に時間がかかることがあった。そのような場合のパフォーマンスを向上させるために,圧縮タイプのインデックスを追加した。まだほかにもあるが,これらの結果,複数のテーブルを組み合わせた巨大なデータを検索する場合,処理スピードが最大で約6倍早くなった。

---同期機能の強化とは具体的にどのようなことか
 同期型のレプリケーション機能は前版「SQL Anywhere Studio 7.0」から搭載されていた。強化したのは,同期のためのスクリプト言語である。従来はSQL文のみだったが,新版ではJavaで記述することが可能となり,Javaの柔軟性を有効活用できる。

---旧版から2年かかった
 短期間でバージョン・アップを繰り返していては,ユーザーにその都度,手間をかける結果となる。SQL Anywhere Studioは,15年前に開発を始めた当初から,いかにユーザーが使いやすくできるかに焦点をあててきた。ユーザーからの要望を実現しつつ,データベースを利用するシステムやアプリケーションのバージョン・アップ期間を見据えてこれからも開発を進めていきたい。