ボーランドは2002年6月3日,Java開発ツールの新版「Borland JBuilder 7」日本語版と,プログラムの品質保証管理ツールの新製品「Optimizeit Suite 4.2」日本語版を発表した。「Optimizeit Suite」は,Javaプログラムのボトルネックを見つけたり,テストを支援したりするツールである。

 「JBuilder 7」は,J2EE(Java 2 Platform, Enterprise Edition)ベースのWebアプリケーションや,Webサービスを用いたアプリケーションを開発するツールである。J2EE 1.3,EJB(Enterprise JavaBeans) 2.0に対応する。新版の主な機能拡張は,(1)オープン・ソースのビルド・ツール「Apache Ant」との統合,(2)対応OSにApple Mac OS Xを追加,(3)サポート対象のWebアプリケーション・サーバーにBEA WebLogic Server 7.0とiPlanet Application Server6.5を追加---の3点である。

 「Apache Ant」はOSを問わないビルド・ツールで,UNIXのビルド・ツール「make」に相当する機能を提供する。このXMLベースのビルド・ツールで作成したプログラムと定義ファイル(makeファイルに相当するもの)をJBuilderに取り込み,JBuilderのプロジェクトとすることができる。

 Webサービス関連の機能は,JBuilderにアドオンできるコンポーネント「Web Services Kit for Java」で対応する。最新版が,同社のWWWサイトからダウンロードできるようになっている。

 「Optimizeit Suite」は,JBuilderで開発したプログラムのテスト支援を行うツールである。(1)メモリーやCPUの利用率を分析し,ボトルネックを検出する「Optimizeit Profiler」,(2)マルチスレッドを利用したアプリケーションの問題点を指摘する「Optimizeit Thread Debugger」,(3)一度も利用されないコードを見つけたり,コード単位でテストしたかどうかを調べたりする「Optimizeit Code Coverage」---の3つからなる。Optimizeit Suiteの価格は24万円で,2002年6月24日に出荷する。

 JBuilderの製品構成は,(1)商用には使えない「JBuilder 7 Personal」(無償,7月中旬からダウンロード開始),(2)J2EEの開発支援機能を除いた「同 SE」(4万8000円,6月24日出荷),(3)J2EEをサポートした「同 Enterprise」(36万円,6月24日出荷),(4)Optimizeit Suiteなどを同こんした「Borland Enterprise Studio 4 for Java」(60万円,7月出荷予定)---である。Borland Enterprise Studio 4 for Javaには,JBuilder 7 Enterprise,Optimizeit Suite 4.2,米Rational SoftwareのUMLモデリング・ツール「Rational Rose Professional」,同じくRational Softwareの開発プロセス管理ソフト「Rational Unified Process」が含まれる。

岡本 藍=日経オープンシステム)