シスコシステムズは2002年5月22日,無線LANアクセス・ポイントの新製品「Cisco Aironet 1200シリーズ」を発表した。無線LANの標準プロトコルである「IEEE802.11b」,「同802.11a」,「同802.11g」の3規格に対応していることが特徴である。

 製品出荷は,802.11b対応製品が2002年7月,802.11a用の追加モジュールが2002年第3四半期,802.11g用の追加モジュールは未定である。参考価格は,802.11b対応製品が16万2000円,802.11a用追加モジュールが約8万円。

 無線LANの標準プロトコルには,(1)2.4GHz帯域を使う最大11Mビット/秒の802.11b,(2)5GHz帯を使う最大54Mビット/秒の802.11a,(3)2.4GHz帯域を使う最大54Mビット/秒の802.11gがある。現在802.11b対応製品が普及しており,今後,高速な802.11aや802.11g対応製品が増えてくる。

 Cisco Aironet 1200は,アクセス・ポイントの基盤となる部分と無線部分を2つの異なる部品として構成している。将来的に802.11aや802.11gに移行する際,無線部分のモジュールのみを追加する形で利用する。デュアルバンド構成が可能で,1つのアクセス・ポイントで802.11bと802.11a,802.11gと802.11aという組み合わせで利用できる。

 電波の傍受や通信内容の盗聴など無線LANのセキュリティ面に対しては,従来の同社の無線LAN製品シリーズと同様の機能を継承する。アクセス・ポイントへの接続と認証に関する規格IEEE802.1xやEAP(Extensible Authentication Protocol)に基づくソフトウエア「Cisco Wireless Security Suite」を提供する。

 IEEE802.1xはアクセス・ポイントと認証サーバーを連携するアクセス制御技術規格で,EAPはPPP(Point-to-Point Protocol)を拡張した認証プロトコルである。米Cisco Systemsが開発した独自の認証方式である「LEAP」や,クライアントとサーバーの両方による相互認証方式「ELP-TLS」をサポートする。

岡本 藍=日経オープンシステム)