日本ヒューレット・パッカードは2002年5月から,ストレージ管理ツールや障害管理ツールなど同社のシステム管理ツールhp OpenViewシリーズの新製品11製品を順次出荷する。また,2002年9月にはサービス・レベル管理機能を提供する強化を行う。

 ストレージ管理ツールとしては「hp OpenView smart plug-in for hp OpenView storage area manager」がある。管理コンソールである「hp OpenView operations」の追加モジュールで,イベント管理機能などを提供する。無償提供し,5月中旬に米Hewlett-Packrardのサイトからダウンロードできるようにする。

 ネットワーク管理関連の新製品は以下の4製品。「hp OpenView problem diagnosis」はネットワークの経路情報と性能データを管理するツールで,5月中旬から出荷し,価格は425万円から。「hp OpenView trend performance manager」はネットワークの性能データを蓄積して長期的な分析を行うツールで,5月中旬に出荷,価格は1340万円から。「hp OpenView NNM extended topology」は「hp OpenView network node manager」の追加モジュールで,スイッチやバーチャルLANを管理するための機能を備える。6月中旬に出荷,価格は102万円から。「hp OpenView smart plug-in for data network devices」は米F5 Networksや米Foundry Networksなどのネットワーク機器を管理するための追加モジュールで,6月中旬に出荷,価格は150万円から。

 アプリケーション管理製品としては,「hp OpenView operations」の追加モジュールとして,稼働状況やパフォーマンスを管理するための製品を提供する。Microsoft SQL Server,Microosoft Exchange,WebLogic Server,PeopleSoft,hp application serverの各製品を対象とする5製品で,6月から7月にかけて出荷する。

 パフォーマンス管理製品は「hp OpenView performance manager for windows」。Windows環境における性能解析ツールで,7月中旬に出荷する。価格は200万円。

 2002年9月には,サービス・レベルを管理する機能を提供する。システムやネットワークのサービス・レベルを管理する「service desk4.5」では,前バージョンにSLO(Service Level Objective)を自動生成する機能を追加する。SLOとは,システムやネットワークなど領域ごとにSLA(Service Level Agreement)をブレイク・ダウンしたもので,定義したSLAを達成するために各領域でどの程度の可用性や性能を達成すべきを記述した管理目標値である。

 Service Desk4.5上で「メール・システムの可用性98%以上」といったSLAを定義すると,回線やメール・サーバー,ルーターなど領域ごとのSLOを自動的に生成する。Service Deskはこれを障害管理や性能管理ソフトに渡し,実測値とSLOを比較する。その結果をReporterに渡し,レポーティング画面に表示する。これが実現すると,SLAが達成できなかった場合などに,どの領域がボトルネックになっているかを容易に把握できるようになる。

 今回,製品体系を変更し「hp OpenView integrated service assurance」(hp OpenView ISA)と呼ぶ新しい体系を発表した。製品を(1)ネットワーク,(2)システム,(3)アプリケーション,(4)ストレージの4分野に分けた。この4分野のサービス・レベルを横断的に管理する製品として,サービス管理ソフトの「hp OpenView service desk」,「hp OpenView internet services」,「hp OpenView reporter」の3製品を位置付ける。

 ただし,複数製品を組み合わせたパッケージ販売はせず,各製品はこれまで通り個別に販売する。各製品がそれぞれに管理するデータも,現時点ではこれまで以上に相互に密な連携が出来るようになったわけではない。現時点では分類した以上の意味はなく,各分野の製品がこれまで以上に密に連携出来るようになったわけでもない。

尾崎 憲和=日経オープンシステム)