サードウェアは,障害が発生した際に短時間で復旧できるOS「Z-Linux」を,2002年4月15日に出荷する。
フラッシュ・メモリーなどにOSのシステム・ファイルとインストーラを格納しているため,再起動するだけで,最短数分程度でOSを再インストールし,マシンを初期状態に戻すことができる。WWW改ざんや不正侵入を受けた際に容易に復旧できるほか,ディスク故障の際にディスクを交換し再起動するだけで復旧できるため,WWWサーバーやメール・サーバーなど特定目的サーバーに向くという。
Z-Linuxは,フラッシュ・ディスク(IDEディスクとして動作するフラッシュ・メモリー)などに格納して使用する。マシンを再起動すると,フラッシュ・ディスクを起動ディスクとして立ち上がり,ハード・ディスクにOSをインストールする。
CD-ROMなどの書き換えができないメディアではなくフラッシュ・ディスクを使用しているため,ユーザーが行うシステム設定を記録し,再インストール時に復旧することができる。また,インターネットを通じてアップデートすることも可能という。ベースとなっているディストリビューションはRed Hat Linux 6.2である。
セキュリティを高めるため,インストール後,フラッシュ・ディスクをシステムから論理的に削除し,不正侵入された際に改ざんされないようにする。ipchainsやtcp_wrapper,tripwireなどのセキュリティ対策ツールも備える。
Z-Linuxには,WWWサーバーのApacheやメール・サーバーのPostfix,DNSサーバーのbindなどが標準で含まれている。価格は,1年間のアップデートを含んで4万8000円。対応フラッシュ・ディスク(64Mバイト)は2万円。
ルーマニアのGeCAD Software社が開発したメール・サーバー向けアンチウイルス・ソフトウエアRAV AntiVirusをバンドルしたパッケージもあり,5000ユーザー版が11万8000円となっている。また,WWWメール・サーバーとしての機能もオプションで提供し,価格は1万円。