バックアップ・ソフト・ベンダーの米Legato Systemsは,同社の主力製品「NetWorker」に対し,新たに「Automated Availability Manager」と「AlphaStor」の2製品を加えた。

 これらは米SCH Technologiesや米OTG Softwareの買収によって手に入れた技術をベースにしており,データのリカバリやバックアップ・テープの管理を行う製品である。今後はこれらの製品をMicrosoft Exchange ServerやOracleといったアプリケーション・ソフトごとにまとめ,データ管理の複雑さを解消する製品を提供する。製品戦略を同社 上級副社長のJames P.Chappell氏(写真)に聞いた。(聞き手は,松山 貴之=日経オープンシステム)

James P.Chappell氏

---バックアップ/リストアに関して,顧客の困っている問題は何か
 システムの可用性に関する要求は,ますます高度になってきている。停止できない情報システムが増え,データ量は増加の一途だ。これらの課題に対してOSベンダーやアプリケーション・ソフト・ベンダー,ストレージ・ベンダーが様々な製品や機能を提供しているが,そこでは新たな問題を生み出している。

 各社が提供する製品のインタフェースがバラバラなため,それらを組み合わせて使いこなすには高いスキルが求められることだ。また,別の問題として,バックアップ・テープの管理がある。企業には既に複数のバックアップ・ソフトが導入されており,それらが管理しているバックアップ用のテープを一元的に管理することができない。こういった課題を解決すべく,関連技術を持った企業を買収し,既に2つの製品を提供している。それが「Automated Availability Manager」と「AlphaStor」だ。

---Automated Availability ManagerとAlphaStorは,どんな機能を持っているのか
 Automated Availability Managerは,クラスタリング機能やリカバリ機能,モニタリング機能などを提供する。クラスタリング・ソフトはOSベンダーなども提供しているが,それらとの違いは,アプリケーション・ソフトとの密な連携機能にある。リカバリ機能やモニタリング機能も,各アプリケーション・ソフトごとの機能を提供する。

 AlphaStorは,メディア管理やデバイス管理,データのライフサイクル管理を行うソフトだ。複数種類のバックアップ・ソフトが管理しているバックアップ・テープを,一元的に管理することができる。既に自社の「NetWorker」と米StorageTechnologiesの「REELbackup」に対応済みで,米VERITAS Softwareの「BackupExec」には2002年後半に対応する予定だ。

---Automated Availability Managerの特徴である,アプリケーション・ソフトとの連携機能とはどのようなものか
 Microsoft Exchange ServerやOracleといったアプリケーション・ソフトのインタフェースに対応し,各アプリケーション・ソフトの特性を考慮する,ということだ。例えばMicrosoft Exchange Serverには22個のプロセスがあり,それらのプロセス異常がトラブルの原因となる場合が多い。

 また,トランザクション・ログが増えてディスクが一杯になってしまうこともトラブルの原因として多い。Automated Availability Managerのモニタリング機能はこれらExchange Serverの特性を踏まえ,プロセスやトランザクション・ログを監視する機能を提供する。このようなアプリケーション・ソフトの特性に合わせたモニタリング機能に,(バックアップ・ソフトの)NetWorkerの機能を統合することで,バックアップやリストアの複雑さを回避することができる。今後顧客には,アプリケーション・ソフトに特化した形で製品を提供する。既にExchange Serverに対応した「Recovery Manager for Exchange」があり,2002年中にもう1製品を追加する予定だ。