コンピュータ・アソシエイツは2001年11月14日,Windows NT/2000およびUNIXサーバー向けバックアップ・ツール「BrightStor Enterprise Backup 日本語版」を発表した。出荷開始は12月中旬を予定,価格は最小構成で約100万円の見込み。サポートするプラット・フォームはWindows NT/2000およびSolaris,hp-ux。今後,Tru64やAIX版も出荷する計画である。

 BrightStor Enterprise Backupは同社のバックアップ・ツール「ARCserve」の上位版に位置付けられる。ARCserveがWindows NT/2000でしか利用できないのに対し,BrightStor Enterprise BackupはNT/2000,UNIXが混在した環境でも,バックアップ業務を一元管理できる。コンソールからの操作環境はARCserveを継承し,ユーザー・インタフェースはARCserveのものとよく似ている。ただし,ARCserveとBrightStor Enterprise Backupを単一のコンソールから制御することはできない。

 パフォーマンス面では,T(テラ)バイト級のデータ・バックアップのニーズを想定し,ARCserveに比べてバックアップやリストア時の性能を引き上げた。例えば「マルチストリーミング」と呼ぶ機能を使えば,複数のボリュームに格納されたデータを複数ドライブに並行して書き込むことで,バックアップに費やす時間が短縮できる。UNIXプラットフォームにおいては,米Computer Associatesが買収した米Sterling Softwareのバックアップ・ツール「Alexandria」の技術を活用して高速化を図った。具体的には,「バックアップ時のシステム・リソースの使い方をチューニングすることで,テープ・ドライブのアイドル・タイムを短縮した」(フィールドサービスグループ ディレクター 関信彦氏)という。また,SANやNAS環境におけるバックアップなどにもオプション製品を使って対応可能である。

 製品発表に合わせ,ストレージ分野における製品計画も明らかにした。“BrightStor”はストレージ関連製品の統一ブランドであり,BrightStor Enterprise Backupはこのブランドを冠した日本語版の第一段にあたる。BrightStorの製品体系は,(1)データ・プロテクション・マネージメント,(2)ストレージ・リソース・マネージメント,(3)ストレージ・インフラストラクチャ――の3つに機能を分け,これらを「Enterprise Storage Management」と呼ぶ管理マネージャで束ねるというもの。ARCserveやBrightStor Enterprise Backupは上記(1)に属する。今後,Enterprise Storage Managementや(2)の機能を持つ「Resource Manager」などを,国内でも順次投入する予定である。

森山 徹=日経オープンシステム)