ソニーは2001年9月3日,同社が企業向けに提供しているインターネット接続サービス「bit-drive」に,上り1.5Mbps/下り1.5Mbpsの「SDSL pro」,上り512Kbps/下り512Kbpsの「SDSL light」,上り512Kbps/下り1.5Mbpsの「ADSL light」---の3つのメニューを追加すると発表した。料金は,SDSL proが月額7万9800円(DSL専用型のみ),SDSL lightが月額2万9800円(電話共用型,DSL専用型は3万1600円),ADSL lightが月額1万6000円(電話共用型,DSL専用型は月額1万7800円)。当初のサービス提供エリアは,東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県の一部。同社のホームページおよび代理店で本日から申し込みを受け付け,SDSL lightとADSL lightは既に開通できる状況にある。ただし,SDSL proは10月中旬以降の開通を予定する。

 ADSLに関しては,既に2001年7月から上り512Kbps/下り1.5Mbpsの「ADSL pro」(電話共用型は月額4万8000円,DSL専用型は4万9800円)を提供しているが,今回,廉価版の「ADSL light」を追加した。ADSL proと同 lightの大きな違いは,ネットワーク混雑時のスループット。技術的な根拠は未公開としているが,ADSL proではアッカ・ネットワークスの中継網にADSL proユーザー専用の帯域を確保して高品質な接続環境を提供するため,「混雑時のスループットはlightに比較して7倍以上の差が出る」(広報)としている。

 上りと下りの速度が同じ「SDSL pro」と「SDSL light」は,ともに新規に追加したメニューである。両サービスの主な違いは,速度。SDSL proはAnnex-Hを使って上り下り1.5Mbps,同lightはAnnex-Cで上り下り512Kbpsを実現する。いずれのメニューもNTT収容局からアッカ・ネットワークスの中継網を介してbit-driveのバックボーンに接続する形態をとる。

 利用できる固定IPアドレスの数は,ADSL proとSDSL proが8個または16個,ADSL lightとSDSL lightが8個である。初期費用は,ADSL pro,ADSL light,SDSL lightが4万3600円,SDSL proが5万3500円である(別途,NTTの契約手数料800円と契約事務手数料1万5000円がかかる)。

 また同社は,2000年7月から提供しているFWA(Fixed Wireless Access)のサービス「ブロードウェイブ」と「シティ・リンク」の回線速度を,9月中旬から11月にかけて10Mbpsに増速する(現行は1.5Mbps)と発表した。月額料金は据え置きで,ブロードウェイブが月額15万円(定額制),シティ・リンクが7万円(従量制)~。既存ユーザーも現行の設備のまま増速できるとしている。

榊原 康=日経オープンシステム)